コラム

大塚家具が2期連続の赤字で「かぐや(家具屋)姫」大ピンチ。再建のカギを握るのは貸会議室?

2018年02月20日(火)13時20分

大塚久美子社長は壮絶な「お家騒動」を制し経営を掌握したものの… Yuya Shino-REUTERS

<大塚家具の赤字はお家騒動のせい? いや、背後では構造的な問題が進行している可能性がある>

会社の支配権をめぐり父と娘で壮絶なバトルを繰り広げた大塚家具が、業績不振にあえいでいる。経営権を掌握した娘の大塚久美子社長は、自らの手で黒字化を達成すると述べているが、道のりは厳しい。カギを握っているのは資本提携した貸会議室運営会社TKPである。

一度はトップを娘に譲ったものの、経営方針をめぐって親子が対立

大塚家具の2017年12月期決算は、売上高が前年比11.3%減の410億円、当期損失が72億円と2期連続の赤字となった。340億円ほどあった自己資本は176億円と半減しており、手持ちの現金も約18億円しかない。

同社は、創業者である大塚勝久氏が一代で築き上げた企業であり、会員制で顧客を囲い込む独特の販売手法で急成長した。2006年には売上高が700億円を突破し、経常利益も53億円に達していたが、この頃をピークに従来のビジネスモデルが時代に合わなくなってきた。
 
2009年の赤字転落をきっかけに勝久氏は引責辞任し、代わって娘の久美子氏が社長に就任。久美子氏は、従来の路線を見直し、顧客の間口を広げる新しい戦略を打ち出したが、これに異を唱えたのが、引退した父親の勝久氏であった。

2014年の業績悪化をきっかけに、勝久氏が久美子氏に辞任を迫り、自身がトップに返り咲いたものの、その半年後には再び久美子氏が勝久氏を辞任に追い込むという親子バトルが勃発した。最終的には多くの機関投資家を味方につけた久美子氏が勝利し、2015年3月に行われた株主総会を期に勝久氏は会社を去った。

経営権を完全掌握した久美子氏は、会員制を事実上撤廃するとともに、「お詫びセール」を展開。満を持して自らの新しい戦略を推し進め、2015年12月期には黒字転換を果たした。しかし、再び業績は悪化し、2期連続の赤字に陥っている。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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