脱成長?「生活大国デンマーク」への日本人の片思い
そしてこれら全てのことは、「EUの中のデンマーク」「世界の中のデンマーク」という意識の中で進んでいる。世界の市場、資金、技術、労働力を使う。GDPの30%強を外国市場でたたき出すし、テレビでは昔からスウェーデン語、英語、ドイツ語などのチャンネルのほうが多かった。デンマーク人は住宅取得のための貯蓄はせず、住宅ローンでさっさと購入し、カネを消費に回すのだが、住宅ローンの原資はドイツなどの銀行からもやって来るのだ。労働力不足はトルコなどからの移民で解決しており、移民は人口の8%程度に達する。
このように、人口小国でも生活大国にはなれる。デンマークの20倍の人口を持つ日本にとって、それは並大抵のことではできないが、株式市場欄に居並ぶ大企業の数を見れば、できない話ではないだろう。
無駄な会議、稟議、「ご説明」、そしてカスハラ顧客への対応などを整理すれば、労働力はまだ絞り出せる。そして英語、国際意識......。もう、よそう。生活大国になるのが難しいなら、日本はもうロボットやAIを搾取して生きていけるのだから。
【関連記事】
プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む
米ネオコン外交の終わりと日本の矜持

アマゾンに飛びます
2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら