報復の選択肢検討とイラン外相、高濃縮ウランは移送と関係筋

イランのミサイル攻撃を受けたテルアビブで22日撮影(2025年 ロイター/Violeta Santos Moura)
Parisa Hafezi Phil Stewart Maayan Lubell
[イスタンブール/エルサレム22日 ロイター] - 米軍による核施設3カ所の攻撃に対し、イランはイスラエルに向けたミサイル攻撃で応じた。
イランは今のところ米軍基地への攻撃や世界的な石油輸送に影響する領海封鎖は実施していない。
イランのアラグチ外相は22日のイスタンブールでの会見で、報復への選択肢を検討しており、これを実行した後に外交による対応を考慮すると指摘。「米国は国際法を尊重しておらず、脅迫と武力という言葉しか理解していない」と非難した。
地下に重要な核施設があるイランのフォルドゥには地中貫通弾(バンカーバスター)が使われたが、イランの高官筋はフォルドウにある高濃縮ウランの大半は攻撃前に別の場所に移されていたと述べた。
同筋はロイターに対し、施設の要員数も最小限に減らされていたと語った。
ロイターが入手したフォルドウの衛星画像では、米国の攻撃後の被害の様子がうかがえる。
イランでの被害状況は把握できていない。イラン国内外の通信は大幅に制限されネット接続も遮断されている。
イラン政府高官はロイターに対し、最高指導者ハメネイ師を標的にした場合、「全てのレッドライン(越えてはならない一線)を越えたとみなし、無制限の対応が正当となる」と述べた。
イランの革命防衛隊によるとイスラエルに向け一夜で40発を発射した。イスラエル国内では多くの地域で空襲警報が鳴り響き、大半の市民が避難した。中部と北部で一部が着弾。保健省は22日朝、86人が負傷したと発表した。