コラム

妙な安定感の「岸田印」に迫るこれだけの難題

2022年02月05日(土)17時29分


ロシアがウクライナに侵入すれば、アメリカはロシアの原油・ガスの輸出を抑える挙に出るだろう。対ロ依存度の高いヨーロッパは他方面から大量の輸入を余儀なくされ、それは原油・ガスの価格を押し上げる。それとは別に、日本は原発の多くを再開しない限り石炭発電を止められないのだが、それは環境問題を悪化させるとして世界から悪人呼ばわりされている。安全保障問題も懸案が山積みだ。

台湾有事には、日本は米軍の基地使用を認めるだけで、中国から攻撃されかねない。さりとて台湾を失えば、「次の台湾」は日本だ。アメリカが内向きになるなか、日本も日米安保だけでは心もとない。ヨーロッパはNATOがあるし、ロシアも軍事同盟CSTO(集団安全保障条約機構)を主宰しているが、アジアにそれはない。

そして、アメリカは今「核兵器の先制不使用」を宣言しようとして同盟諸国から止められているが、日本も核抑止の問題に真剣に取り組まないと今に北東アジアで唯一「核攻撃しても怖くない国」になるだろう。

社会に説明を尽くしつつ、きちんとした政策選択肢をつくる。そして、選択した結果を「岸田印」の法律・条約として国会に上程すべきだろう。

プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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