コラム

いつも、どこでも、何度でも見かける... 僕を悩ますイギリス路上の輪ゴム問題

2023年06月21日(水)15時15分

これらの輪ゴムがどこから出てきているのか、僕は理解できない。誰が使って落としているんだろう? そして輪ゴムは定期的に「差し替え」られている。僕は同じ街の同じ道路をいつも歩くが、それでもいつだって輪ゴムがあるのだ。それらの輪ゴムは何年も気付かれずにずっと置きっぱなしになっているわけではない(僕が1週間前にでも拾っていなければ、きっと既に劣化していただろう)。そしてこれは僕の街だけにとどまらない。どこに行っても輪ゴムを目にするのだ。

僕が聞いたことのあるまことしやかな説は、郵便配達人が郵便の束を輪ゴムで留め、配達の最中に落としてしまったというもの。それならいつでも定期的に新しい輪ゴムが落ちていることの説明がつくが、落ちている輪ゴムの数の多さは説明がつかない。さらには、途中で横切る駐車場にだって多くの輪ゴムが見つかるのも説明がつかない。郵便配達人が通るところではないのだから。

そんなわけで、路上の輪ゴムはどこから出ているのか、という疑問には答えが出せないまま。そして、もう1つの疑問も未解決だ──ゴミ箱に捨てるわけにもいかない輪ゴムが日々大量供給されていくこの事態を、僕は一体どうすればいいんだろう?

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プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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