コラム

深刻化する「ギャンブル依存症」問題に英政府さえ動いた

2018年05月24日(木)18時50分

概して僕は、個人の行動は自己責任に任せるべきだと考えているが、割と突然にFOBT(と現代のギャンブル全般)の危険性に気付いたことがきっかけで、その確信は大きく揺らいだ。今回のような思い切った措置が、これほどすぐに講じられるとは予想していなかった。新たな規制は、これらのゲーム機がギャンブラーに及ぼす可能性がある損害を劇的に減らし、おそらく多くの賭け店舗を閉店に追い込むことになるだろう。

通常、政府は大規模産業の利益を損なったり、さらにはレイオフにつながったりするような措置はとらないもの。だがこの場合では、社会的損失も明らかだったのだろう。ギャンブルは中毒性があり、人々の家計を破壊し、そして国が(生活保護という形で)かなりのツケを払わなければならない。

FOBTをはじめとするギャンブル機器に苦しめられる人々が、貧しい人々にかなり偏っていることは、数々の調査が示している。FOBTは、規制すべき「社会の病」だった。そしてそれが普通に実現したことに、僕はただただ驚いている。

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プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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