コラム

朝日を批判したがる朝日記者のねじれた愛社精神(と甘え)

2021年05月28日(金)18時40分

中途半端に終わった「挑戦」

「リベラルを代表する言論・報道機関とまだ世間で辛くも認識されている朝日新聞の中にいながらにして、自社の報道を含めたリベラル勢力の矛盾や問題点を問うという行為には、まだわずかなりといえども意味はあると信じたいし、自分の属する陣営への愛ゆえの雑言(?)が、リベラルの復権に少しでもつながることを望んでやまない」

残念ながら、甘えがにじみ出る文章で彼の望みがかなうことはないだろう。私も考えが近いせいか、厳しい言葉になってしまうが、「挑戦」が中途半端なままに終わっているのがなんとも惜しい。もし彼の挑戦が結実するとすれば、辞める気がないと書いている朝日新聞に「さよなら」と決別し、彼自身が自分の足で新しい一歩を踏み出した時だろう。その時、著者の論考は「甘え」を脱して、現実をより直視したものになるように思えてならない。本当にできるのならば、ではあるのだが。

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プロフィール

石戸 諭

(いしど・さとる)
記者/ノンフィクションライター。1984年生まれ、東京都出身。立命館大学卒業後、毎日新聞などを経て2018 年に独立。本誌の特集「百田尚樹現象」で2020年の「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞」を、月刊文藝春秋掲載の「『自粛警察』の正体──小市民が弾圧者に変わるとき」で2021年のPEPジャーナリズム大賞受賞。著書に『リスクと生きる、死者と生きる』(亜紀書房)、『ルポ 百田尚樹現象――愛国ポピュリズムの現在地』(小学館)、『ニュースの未来』 (光文社新書)など

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