ブラジル中銀、金融引き締め効果まだ感じられず=議事要旨

ブラジル中央銀行は6月24日公表した先週の金融政策決定会合の議事要旨で、これまでの「とりわけ迅速で非常に強力な」金融引き締め局面の効果がまだあまり感じられないと明らかにした。2024年12月、ブラジリアで撮影(2025年 ロイター/Adriano Machado)
[ブラジリア 24日 ロイター] - ブラジル中央銀行は24日公表した先週の金融政策決定会合の議事要旨で、これまでの「とりわけ迅速で非常に強力な」金融引き締め局面の効果がまだあまり感じられないと明らかにした。中銀は効果を見極めるため現在は利上げの一時停止を見込んでいるとした。
議事要旨によると、中銀は先週の金融政策決定会合(COPOM)で政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げて15%とし、今後は「非常に長期にわたって」利上げを停止すると示唆した。また、現在の政策金利水準がインフレ率を目標に戻すのに適切かどうかを引き続き評価すると強調した。
中銀は必要ならばためらわずに利上げを再開すると改めて表明し、今回の利上げ停止が金融引き締め局面の終了を必ずしも意味していないと説明した。これは中銀が金融緩和に着手するかもしれないという金融市場の時期尚早な期待をけん制する狙いがあるとみられる。
ブラジルの基準金利(SELIC)は昨年9月以降、450bp上昇している。
しかし、積極的な金融引き締めにもかかわらず、年間インフレ率が目標の3%を大きく上回り、堅調な経済活動と人手不足が後押しする形で依然として予測以上の経済成長を続けている。
G5パートナーズのパートナー兼チーフエコノミストのルイス・オタヴィオ・レアル氏は「このような状況でどのように利上げを止めるのか。金融政策の効果が遅れて表れると信じて、今やその効果が感じられるのを待つ時だ」と述べ、来年初めに利下げが始まると予測している。
政策担当者は、最近の経済指標は経済が徐々にだが引き続き減速している状況を示していると指摘した。