イスラエル、ガザでの攻撃続行 イランとの停戦合意後も

パレスチナ自治区ガザでは24日、イスラエル軍の攻撃により少なくとも29人のパレスチナ人が死亡した。写真は同日、ガザ市内の病院で撮影(2025年 ロイター/Mahmoud Issa)
[カイロ 24日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザでは24日、イスラエル軍の攻撃により少なくとも29人のパレスチナ人が死亡した。現地の医療関係者や住民らが明らかにした。イスラエルとイランが停戦に合意した直後の攻撃に当たるもので、イスラエル軍はイスラム組織ハマスへの軍事攻撃を告げるものとみられる避難を命じるビラをガザ北部の一部に散布した。
トランプ米大統領はイスラエルとイランの空爆を巡る停戦合意を発表したものの、ガザでのパレスチナ人に対する攻撃停止の展望は開けていない。
ガザ中部のヌセイラトにある病院からは、米国が支援するガザ人道財団(GHF)の支援物資配布所近くに集まっていた人々の中から、死者19人と負傷者146人が搬送されたという。ただ、GHFはロイターのコメント要請に対しメールで、支援拠点付近でそうした事案に関する報告は受けていないと回答した。
イスラエルは、ガザに入る支援物資の大半をGHF経由の輸送としており、GHFはイスラエル軍が警備する地域に数カ所の配給拠点を運営している。国連はGHFの配給体制は危険で人道的な中立性にも違反しているとして否定している。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長は24日、ベルリンで記者団に「死の落とし穴」になっていると指摘した。
医療関係者によると、24日にはガザの住宅もイスラエルに空爆され、10人が死亡した。イスラエルは武装勢力が住宅地を拠点としていると主張している。
ガザ保健当局によると、2023年10月の戦闘開始後、ガザ側の死者が約5万6000人に達している。200万人を超える住民の大半が避難を余儀なくされ、食料危機が深刻化している。