NY外為市場=ドル下落、中東情勢を楽観 ユーロは21年以来の高値

終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 24日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。イランとイスラエルの停戦合意が発表されたほか、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がインフレ上昇見通しについて改めて発言したことが材料視された。ユーロは2021年10月以来の高値を付けた。
イラン・イスラエルの停戦合意は24日、トランプ米大統領の圧力のもと効力を発揮し始め、両国の軍事衝突の終結に向けた期待が高まった。
原油価格の下落を受け、ユーロと円は上昇。ユーロは0.38%高の1.162ドル。ドルは対円で1%下落し、144.68円となった。欧州連合(EU)と日本は石油と液化天然ガス(LNG)の輸入に大きく依存している。
リスクセンチメントの改善を受け、リスクに敏感な資産も上昇。豪ドル/米ドル
英ポンドは0.77%高の1.3626ドル。一時、1.3648ドルと22年1月以来の高値を付けた。
FRBのパウエル議長はこの日、下院金融サービス委員会で証言した。利下げについて、引き続き堅調な労働市場などを踏まえ、「特定の会合について指摘したくない。急ぐ必要はない」と述べた。
ForexLiveの主任通貨アナリスト、アダム・バトン氏は「市場は利下げの可能性について否定的な姿勢を期待していたが、パウエル議長は引き続き曖昧な姿勢を維持した」と指摘。ウォラー理事とボウマン副議長(金融監督担当)が雇用市場の軟化兆候が見られるとの見方を示す一方、パウエル議長は労働市場に弱さは見られないと発言した」と述べた。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む年内の利下げ幅は計60ベーシスポイント(bp)。これは、25bpの利下げが2回実施されることが確実であり、3回目の利下げの可能性が高まっているという見方を示している。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.72%高の10万5589ドルとなった。
ドル/円 NY終値 144.91/144.95
始値 145.09
高値 145.18
安値 144.52
ユーロ/ドル NY終値 1.1608/1.1611
始値 1.1596
高値 1.1641
安値 1.1583