ニュース速報
ビジネス

物価目標の実現前倒しも、不確実性下で果断に動くべき場面あり得る=田村日銀委員

2025年06月25日(水)11時34分

 日銀の田村直樹審議委員は25日、福島県金融経済懇談会であいさつし、物価の上振れリスクに警戒感を示した上で、物価目標の実現時期が想定より「前倒しとなる可能性も十分にある」との認識を示した。写真は都内の日銀本店前で1月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

Takahiko Wada

[25日 ロイター] - 日銀の田村直樹審議委員は25日、福島県金融経済懇談会であいさつし、物価の上振れリスクに警戒感を示した上で、物価目標の実現時期が想定より「前倒しとなる可能性も十分にある」との認識を示した。その上で、物価目標実現の確度が高まる、あるいは物価上振れリスクが高まる場合は「たとえ不確実性が高い状況にあっても、果断に対応すべき場面もあり得る」と語った。

日銀は5月の展望リポートで、基調的な物価上昇率が2%目標に到達する時期について、2027年度までの見通し期間の「後半」とした。

田村委員は、政策委員の中で最もタカ派と位置付けられる。あいさつでは、米国の関税政策は日本の経済・物価を下押しする公算が大きいものの「それでも27年度まで、前年比2%近傍の物価上昇が続く」と予想。企業の賃金・価格設定行動が「賃金・物価が上がりにくかった以前の状況に戻っていくリスクは小さい」と指摘した。「これまで高まってきた消費者物価の基調的な上昇率が下方に屈折してしまう可能性は小さい」とも話した。

政策金利は過去30年間、0.5%を超えていないが「0.5%に壁があるとは感じていない」と述べた。その理由として、前回政策金利が0.5%だった2007年、08年当時に比べ、物価上昇率は大幅に高く、市中銀行の貸出金利が低いことを挙げた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英、戦術核搭載可能な戦闘機12機調達へ 最新鋭ステ

ワールド

イラン核計画「中核部分は破壊されず」、米情報機関が

ワールド

NY市長民主党予備選、33歳左派候補が勝利へ クオ

ワールド

政府、25年度成長率の下方修正検討 1%未満の可能
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 3
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係・仕事で後悔しないために
  • 4
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 5
    都議選千代田区選挙区を制した「ユーチューバー」佐…
  • 6
    細道しか歩かない...10歳ダックスの「こだわり散歩」…
  • 7
    「子どもが花嫁にされそうに...」ディズニーランド・…
  • 8
    人口世界一のインドに迫る少子高齢化の波、学校閉鎖…
  • 9
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 10
    「温暖化だけじゃない」 スイス・ブラッテン村を破壊し…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 8
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 9
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中