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国際決済銀行、ステーブルコインのリスク警告 中銀にトークン化促す

2025年06月25日(水)09時08分

国際決済銀行(BIS)は6月24日、ステーブルコインがもたらすリスクについてこれまでで最も厳しい警告を発し、自国通貨のトークン化に迅速に取り組むよう各国に促した。写真はBIS本部。2021年3月、スイスのバーゼルで撮影(2025年 ロイター/Arnd Wiegmann)

[ロンドン 24日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)は、ステーブルコインがもたらすリスクについてこれまでで最も厳しい警告を発し、自国通貨のトークン化に迅速に取り組むよう各国に促した。

29日公表予定の年次報告書の一部が先に公開された。BISはその中で、通貨主権を損なう可能性や透明性の問題、新興国からの資本逃避リスクなど、ステーブルコインに対する懸念について説明した。

ステーブルコインは暗号資産(仮想通貨)の一種で、米国債や金といった現実世界の資産を裏付けとし、通常ドルと1対1の価値を維持するよう設計されている。

BISは「ステーブルコインは健全な通貨の一形態としては不十分で、規制がなければ金融の安定と通貨主権にリスクをもたらす」としている。

BISの経済顧問、ヒョン・ソン・シン氏は、ステーブルコインには中央銀行が法定通貨で提供している伝統的な決済機能が欠けていると説明した。

また、ステーブルコインが暴落した場合に裏付け資産に投げ売りが出るリスクについても警告した。

ステーブルコインを誰が管理するのかという懸念もある。

BISのメクラー副総支配人は「情報開示の問題についてはステーブルコインによって異なる。裏付け資産の質に関する疑問は常につきまう。資金は本当に存在するのか、また、どこにあるのか」と述べた。

BISは中銀の準備金、商業銀行の預金、国債を統合してトークン化した「統合台帳」を中銀が作成することを望んでいる。

ロイター
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