利下げ急がず、関税の物価への影響不透明=米クリーブランド連銀総裁

米クリーブランド地区連銀のハマック総裁は24日、インフレは依然として連邦準備理事会(FRB)の目標を上回っており、関税措置がインフレにどのような影響を与えるかについて多くの不確実性が残っている状況では、利下げを急ぐ必要はないとの見解を示した。4月撮影(2025年 ロイター/Mike Segar)
[ニューヨーク 24日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のハマック総裁は24日、インフレは依然として連邦準備理事会(FRB)の目標を上回っており、関税措置がインフレにどのような影響を与えるかについて多くの不確実性が残っている状況では、利下げを急ぐ必要はないとの見解を示した。
ハマック総裁はロンドンで行う講演の原稿で、これまで経済が底堅く推移していることを考えると、現行の金融政策を維持することのリスクは低いようだと指摘。その上で「差し迫った利下げを正当化するような経済の弱体化は見られないが、その可能性には引き続き注視している」と述べた。
また、状況が不透明である中、FRBが政策変更前に追加情報を入手するのは良いことだとし、「中立的な政策金利水準に向けて非常に小幅な利下げに踏み切るまで、政策が相当な期間据え置かれる可能性は十分にある」との認識を示した。
さらに、不確実な時代における金融政策について、「間違った方向に拙速に進むよりも、ゆっくりと正しい方向に進む方が良い」と言及。FRBが目標とするインフレ率2%までの道のりは依然として長く、関税がインフレに与える影響が一時的なのか、それともより持続的なものになるのかについては確実性がないと指摘した。
米雇用市場については、安定しているようだが、トランプ大統領の移民政策の影響が雇用の伸びの足かせになる兆候がないか注視するべきと言及。「現時点では、労働市場が米国経済のインフレの要因になるとは考えていない。現在のデータに基づくと、労働市場は比較的安定しているように見える。しかし、長期的には成長の障壁となる可能性があるため注視する必要がある」と述べた。
ハマック総裁は今年、連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持たない。