ドゥーギン娘の暗殺、いつもの「雑な自作自演」から見えるロシア諜報機関の対立
もしウクライナがロシア国内で暗殺作戦を実行するなら、大物の政治家や軍人を狙うはずだ。ウクライナのロシア占領地域では、本国から派遣された高位の文官数人が暗殺されており、ウクライナ軍特殊部隊は数多くのロシア軍将校を殺害している。
今回の事件に漂うのはむしろ、ロシアの仕業という疑惑だ。ドゥーギナを殺害すれば、ロシアの情報機関とプーチン体制は多くのよこしまな利益を得る可能性がある。
ロシア情報機関の一角であるFSBとSVR(対外情報庁)は対立関係にあり、プーチンの寵愛を争い、ウクライナでの不手際の責任をなすり付け合っている。FSBはウクライナでの工作活動に失敗しており、プーチンは担当部署であるFSB第5局のトップを解任・投獄した。
その一方で、ロシアのウルトラナショナリズム主義者らは、ウクライナでのプーチンの「穏健姿勢」やお粗末な戦績への批判を強めている。
つまり、今回の暗殺事件はロシア情報機関のウルトラナショナリストへの警告だったのではないか(ウクライナへの攻撃が手ぬるいと、ドゥーギンはプーチンを批判していた)。同時に、ドゥーギンはFSBとSVRの対立の犠牲者、あるいは同じスラブ民族であるウクライナへの侵攻を非難する愛国者の標的になった可能性もある。
ドゥーギンの車を爆破したのは誰か。答えは分からない。だがロシア側の犯行とすれば、想定できるシナリオはいずれも犯人に何らかの「利益」をもたらす。一方、ウクライナの場合、得るものはゼロだ。

アマゾンに飛びます
2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
アメリカ版文化大革命? トランプのエリート大学たたきは独裁への道 2025.04.24
次期大統領候補だったルペンが有罪に、ここから始まるフランス政界大混迷 2025.04.09
トランプの「残酷で危うい国際システム」が始まる 2025.03.29
日本の石破首相がトランプに主張すべきこと 2025.03.12
トランプ政権がもくろむCIAの大リストラ、次に起きることは? 2025.02.26
トランプが命じた「出生地主義の廃止」には、思わぬ悪影響が潜んでいる 2025.01.31
-
「セキュリティスタッフ」東京駅・皇居周辺の一流外資系企業・5つ星ホテル・高級ブランドショップの安全を守る仕事
株式会社ビーテックインターナショナル
- 東京都
- 月給26万円~40万円
- 正社員
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
「カスタマーサクセス~外資系企業を中心に採用の支援~」/業界未経験OK/留学・海外生活経験、外国籍など活躍中
株式会社キャリアクロス
- 東京都
- 年収400万円~500万円
- 正社員
-
Sales Admin Leader/バックオフィス全体の運営を支えるポジション 米国本社・外資系/リモートワーク可
ビデオジェット・エックスライト株式会社
- 東京都
- 年収600万円~800万円
- 正社員