コラム

アメリカをめちゃくちゃにしたトランプ、それでも支持する労働者たちの「思い込み」

2019年09月25日(水)17時30分

これに対し共和党の州知事や州当局者は恥知らずにも非白人の投票を制限しようと画策してきた。ノースカロライナなど一部の州では投票時に身分証明書の提示を義務付ける州法などが制定され、身分証明書を持たない人が投票できない事態が起きた。こうした州法には相次いで違憲判決が下されているが、共和党はあの手この手で同種の画策を続けるだろう。

アメリカ社会の分断を狙うロシアの情報機関は2020年にもトランプ陣営にテコ入れする可能性が高い。おまけにトランプは前回の大統領選で自分が勝たなければ、選挙の正当性を認めないと言い放った男だ。

一方で、米中貿易戦争や富裕層優遇の経済政策のツケがじわりと庶民の暮らしを締め付け始めてもいる。トランプの支持基盤である農家、さらには工場労働者も経済の先行きに不安を覚え始め、トランプ再選には黄色信号がともっている。

公正で民主的な選挙が行われれば、民主党候補が誰であれ、トランプに勝ち目はない。共和党が投票制限をし、ロシアが選挙介入をしても、トランプが負ける確率は高い。

ただ問題は有権者の「思い込み」がしばしば現実よりも強力に選挙結果を左右することだ。そこにロシアが流すフェイクニュースが加われば、あり得ないことが起きる。2016年11月に起きた悪夢のように......。

<本誌2019年10月1日号掲載>

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※10月1日号(9月25日発売)は、「2020 サバイバル日本戦略」特集。トランプ、プーチン、習近平、文在寅、金正恩......。世界は悪意と謀略だらけ。「カモネギ」日本が、仁義なき国際社会を生き抜くために知っておくべき7つのトリセツを提案する国際情勢特集です。河東哲夫(外交アナリスト)、シーラ・スミス(米外交問題評議会・日本研究員)、阿南友亮(東北大学法学研究科教授)、宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)らが寄稿。


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GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

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