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ビジネス人生はRPG どんなに経済が不安定でも生き残れる最強の職種とは?

2022年10月29日(土)15時32分
越川慎司(株式会社クロスリバー代表) *PRESIDENT Onlineからの転載

ビジネス人生はRPG

ロールプレイングゲーム(RPG)にたとえるとわかりやすいでしょう。

たとえば、ドラゴンクエスト(ドラクエ)のゲーム序盤に経験値を稼ぐモンスターとして最も有名なのは「スライム」かもしれません。でも、ザコキャラを倒し続けてレベルアップできるのはごく初期段階だけ。

個人で戦い、十分にレベルアップをしたら、今度は仲間を増やしてパーティー(チーム)を作っていく。そして、より遠くへ冒険の旅に出る。

外部環境と自分の能力、そして、ちょっとだけ将来を見据えて、行動を変えていきながらレベルアップし、より強いモンスターと戦い、活躍のフィールドを広げていく。しかもそれを、オープンワールド化する世界で行っていく──。

雑草はどんな環境でも生き抜くことができる最強の生物です。それが可能になったのは「変わること」と「変わらないこと」をしっかり見極めて、自分が変わることに注力したからです。そのため、外部環境の変化に対応しやすいのです。

ビジネスの世界を生きる私たちも同じです。現在所属している企業・団体などに依存することなく、世の中の変化にアンテナを張り、自分の行動を少しずつ変えていく。

それを継続できる人だけが、変化の激しいこれからの時代を生き抜き、成長を続けることができます。

役員の肩書を捨て、冒険の旅へ出る

身をもって変化を体現しようと、2016年末をもって、私は11年半勤めたマイクロソフトを卒業しました。

最後はWord、Excel、PowerPoint、クラウドビジネスの担当役員を任されていたため、「なぜ辞めてしまうの?」「もったいない」と多くの言葉をかけられました。

退社直後に株式時価総額世界一となったマイクロソフトにそのまま在籍し続けていれば、安定した給与をもらうことはできていたかもしれません。その可能性は否定しません。

しかし、マイクロソフトを卒業してすぐにわかったことがあります。それは、私が高いレベルでビジネスを行うことができていたのは、マイクロソフトがそのための環境を用意してくれたからだ、という身も蓋(ふた)もない事実です。

あたかも社員個人が、実力でその高いステージに登ったかのような錯覚に陥おちいれば、慢心して自分磨きを怠(おこた)ってしまいます。

私自身、あのまま在籍していたらそうなったかもしれない、と強い危機感を覚えたのが2017年の起業直後のことでした。

人生を変えた「ある出会い」

私は仕事が大好きで、寝食を忘れて働くこともありました。そのおかげで体を壊し、出社できなくなる経験もしました。

とくに私の場合は、仕事に取り掛かってエンジンがかかると長時間の作業を続けてしまう癖があり、睡眠不足に陥ることも度々でした。

関わるビジネスに対する関心が広がり、それはさまざまな業界に及んでいきました。興味本位で仕事を増やし、でも長時間労働から脱出できないという状況は長く続きました。

こうした悩みに直面していた2014年に、米国のシリコンバレーのオフィスで、変わったインド人に出会いました。彼は、マイクロソフトの社員ではなく、個人事業主としてデータセンタープロジェクトに参画していました。

機密性の高いデータセンタープロジェクトに入るには相当高いハードルを乗り越えなくてはなりません。しかし彼は、そのような待遇を受けるに値する、特別な経験を有した超スペシャリストだったのです。

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