最新記事
ウクライナ情勢

ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが命中、「破壊」の瞬間を撮影...東部ドネツクで続く戦闘

HIMARS strike destroys Russian Mi-8 helicopter in Donetsk: Video

2023年12月16日(土)13時49分
エリー・クック
ロシア軍のMi8ヘリコプター

ロシア軍のMi8ヘリコプター(2022年1月) Sergey Pivovarov-Reuters

<東部ドネツク州では、欧米の支援を受けたウクライナ軍の反転攻勢で戦闘が続き、ロシア側にも大きな損失が出ている>

長期戦となったロシアとウクライナの戦争では、ウクライナだけでなくロシア側も大きなダメージを負っている。欧米の支援を受けたウクライナの反撃により多くの兵士や戦車を失っているロシアだが、軍用ヘリにも大きな損失が出ているという。今月には、米国製HIMARSによる攻撃が命中し、Mi8輸送ヘリが破壊される瞬間を捉えた劇的な動画も公開された。

■【動画】ウクライナ軍HIMARSが「ロシア軍Mi8ヘリコプター」に命中、破壊する瞬間を撮影...東部ドネツク

ウクライナ軍の戦略コミュニケーション局はソーシャルメディアに投稿した声明の中で、12月13日に東部ドネツク州の都市リマン近郊で、ウクライナ軍がロシア軍のMi8輸送ヘリコプターを「機能破壊」したと述べた。

リマンはハルキウ州クピアンスクから激戦地バフムトまで続くドネツク地方の前線からほど近い場所に位置している。リマンのあるドネツク州は2022年9月にロシアが一方的に併合を宣言。市内の鉄道はロシア軍の攻撃によって大きな被害を受けていたが、ウクライナ軍はその後の反転攻勢で、同年10月にリマンをロシア軍から奪還していた。

ウクライナ政府は今回のヘリ破壊について、ウクライナ軍の偵察ドローンがロシア軍の輸送ヘリを発見し、アメリカから供与を受けた高機動ロケット砲システム(HIMARS)で攻撃したと明らかにした。米国防総省によれば、アメリカはこれまでウクライナに39基のHIMARSを供与している。

ウクライナ軍は過去にもロシア軍のヘリ破壊動画を公表

インターネット上で共有された短い動画には、人けのない野原の真ん中でプロペラをゆっくりと回転させている状態のヘリコプターが映っており、その後、このヘリコプターらしきものの周囲で炎が上がり、煙が立ち上る様子が見て取れる。

本誌はこの動画の信ぴょう性について、独自に確認を取ることはできていない。この件についてロシア国防省にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

ウクライナ軍参謀本部は14日の戦況報告の中で、ウクライナ軍のミサイルが過去24時間でロシア軍のヘリコプター1機を攻撃したと述べたが、攻撃が行われた場所やヘリコプターの種類に関する詳細は公表しなかった。また同参謀本部によれば、ウクライナ軍は前日にロシア軍の対空ミサイルシステム1基、迫撃砲2基と弾薬庫も破壊したということだ。

ウクライナ軍は戦場でロシア軍を攻撃した際の様子を捉えた動画をインターネット上で頻繁に公開している。

ビジネス
栄養価の高い「どじょう」を休耕田で養殖し、来たるべき日本の食糧危機に立ち向かう
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

WHO、成人への肥満症治療薬使用を推奨へ=メモ

ビジネス

完全失業率3月は2.5%に悪化、有効求人倍率1.2

ワールド

韓国製造業PMI、4月は約2年半ぶりの低水準 米関

ワールド

サウジ第1四半期GDPは前年比2.7%増、非石油部
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 7
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 8
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 9
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中