ニュース速報
ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ

2024年05月05日(日)07時19分

米エネルギー省のキャスリン・ハフ次官補(原子力担当)はロイターに対し、ロシアが米国にウランを売却しなくなる可能性を2022年から準備していたとし、ロシア産への依存脱却が国内の精製能力を高めるとの見方を示した。写真は米ミネソタ州モンティチェロの原発。2023年3月撮影(2024年 ロイター/Adam Bettcher)

Timothy Gardner

[ワシントン 3日 ロイター] - 米エネルギー省のキャスリン・ハフ次官補(原子力担当)はロイターに対し、ロシアが米国にウランを売却しなくなる可能性を2022年から準備していたとし、ロシア産への依存脱却が国内の精製能力を高めるとの見方を示した。

米上院は4月30日、ウクライナ侵攻を巡る制裁の一環でロシア産ウランの輸入禁止法案を可決した。

ロシアがウクライナ侵攻を開始した2022年、ロシアは米にとってウランの最大の調達先で国内原発が使用するウランの約24%を占めていた。対ロシア制裁を強化する中、ロシアが対抗措置として米国へのウラン輸出を凍結するとの懸念も台頭していた。

ハフ次官補は3日、退任を前にロイターに「ここ数年、ロシアが濃縮ウランの対米輸出を突然止める可能性が、非常に現実的かつ現在進行形で存在した」と述べた。米政府はあらゆるシナリオを想定して準備してきたとし、カナダ、フランス、日本などの同盟国が代替調達を支援するとの見通しを示した。

ロシア産の輸入禁止により、以前の法案から27億ドルが国内産業育成に投じられることになる。

ロシアへの依存を減らす上では、新たなウラン生産設備への投資と、その投資を一定の輸入規制で保護するという2本柱が必要だと指摘した。

原発の燃料補給は約2年ごとに行われ、契約は数年前に締結される。ハフ氏によれば、国内のウラン転換・濃縮設備の立ち上げは3─4年先で、ロシア産に取って代わるのに「ほぼ間に合う」という。

今週、ジョージア州のボーグル原発の4号機が商用運転を開始した。ただ、新たな原発建設は予定されていない。ハフ氏は、次に稼働するのはミシガン州のパリセーズ原発だと予想する。パリセーズ原発は22年に閉鎖したが、所有するホルテック社がエネルギー省から15億ドルの融資を受け、米国で初めて再稼働に取り組んでいる。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

大統領選後に拘束記者解放、トランプ氏投稿 プーチン

ビジネス

ドイツ銀行、9年ぶりに円債発行 643億円

ビジネス

中国は過剰生産能力を認識すべき、G7で対応協議へ=

ワールド

ウクライナ支援、凍結ロシア資産活用で25年以降も可
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結果を発表

  • 2

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決するとき

  • 3

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレドニアで非常事態が宣言されたか

  • 4

    「目を閉じれば雨の音...」テントにたかる「害虫」の…

  • 5

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 6

    高速鉄道熱に沸くアメリカ、先行する中国を追う──新…

  • 7

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された─…

  • 8

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 9

    魔法の薬の「実験体」にされた子供たち...今も解決し…

  • 10

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 4

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 10

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中