最新記事
ウクライナ戦争

ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入...建物を内部から爆発させた攻撃成功の瞬間映像

Video Shows Ukraine's 'Upgraded' Drone Blow Up Russian Soldiers' Hideout

2024年1月21日(日)19時40分
エリー・クック
ウクライナのドローンがロシア拠点を攻撃

Dmytro Sheremeta/Shutterstock

<FPV(一人称視点)ドローンはウクライナの戦場で大きな役割を果たし続けており、ロシアも大幅な増産体制に入っている>

ロシアとウクライナの両国がFPV(一人称視点)ドローンの開発を強化する中、ウクライナのドローンがロシアの前線の陣地に対する攻撃を成功させたとみられる新たな映像が公開された。

■【動画】ロシア軍の潜伏場所を急襲...「自爆ドローン」が建物に突入し、内部から爆発させた攻撃成功の映像

動画は1月15日、ウクライナの活動家で、同国のドローンの備蓄のための資金集めを行い、戦闘映像を公開しているセルヒー・ステルネンコが投稿した。短い映像をつなぎ合わせたもので、ウクライナのFPVドローンがロシア軍の潜伏場所を攻撃している様子だという。

映像では、少なくとも1機のウクライナの自爆ドローンが、ロシア兵が避難していた廃墟を攻撃し、建物を破壊している。別の航空機がその瞬間を捉えたとみられる。

この攻撃はウクライナの第80独立空中強襲旅団が行ったとされているが、ステルネンコは撮影された日時や場所は明らかにしていない。ネット上では、映像のドローンは、ウクライナが日常的に使用しているドローンよりも大型で破壊力のあるモデルではないかと推測する意見もある。

「数でロシアと勝負するのは難しい」

ロシアによるウクライナ侵攻の開始後、FPVドローンは瞬く間にウクライナの無人航空機(UAV)戦略の象徴となった。ドローンがロシア軍の車両に向かって急降下して爆発するといった劇的な戦闘映像を記録するために使用したり、砲撃を誘導するための偵察ツールとして配備したりすることもできる。

2023年10月初めにロシアがドネツク州アウディーイウカに攻撃を開始して以来、ロシアもウクライナも、それらの前線でFPVドローンを広範囲に使用してきた。

ウクライナ軍第92機械化旅団のドローン部門「アキレス」を指揮するユーリー・フェドレンコは昨年12月中旬、同国東部と南部の激戦地では、ウクライナ軍のFPVドローン1機に対してロシア軍は5~7機のFPVドローンを展開していると明らかにした。

米シンクタンク「海軍分析センター」のサミュエル・ベンデットによれば、ウクライナはFPVドローンの生産で大幅にリードしていたが、その後ロシアがドローンの開発と増産に本腰を入れて前線に大量に送り込むようになっている。

ベンデットは、ロシアでは国の機関やその関連団体が総力を挙げてドローンの開発・増産を行っており、「その成果としてロシア軍に1カ月あたり何万機ものFPVドローンを供給している可能性が高い」と本誌に語っている。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエルのソマリランド国家承認、アフリカ・アラブ

ワールド

ミャンマーで総選挙投票開始、国軍系政党の勝利濃厚 

ワールド

米、中国の米企業制裁「強く反対」、台湾への圧力停止

ワールド

中国外相、タイ・カンボジア外相と会談へ 停戦合意を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 10
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中