最新記事

ウクライナ戦争

ドローン同士の一騎打ち...ウクライナ東部「空の決闘」動画が話題に

Ukraine Beats Russia in War's First Drone Dogfight, Video Shows

2022年10月15日(土)16時24分
ブレンダン・コール
Mavicドローン

marekuliasz-iStock

<ウクライナ東部ドネツク州の上空で撮影されたとされる映像には、同国のドローンとロシアのドローンが対決する様子が捉えられていた>

ウクライナ軍とロシア軍のドローンが、空中で対戦している様子を捉えたという動画がインターネット上に公開され、注目を集めている。これはTelegramのチャンネル「XD Dnipr」が公開したもので、「ウクライナとロシアのドローン『Mavic』による初の空中戦が映像で記録された」と記されている。

■【動画】ウクライナ上空で対峙するドローン同士による「無人の決闘」

同チャンネルはさらに、「セルヒー・プリトゥラのドローンが勝利した」と説明。セルヒー・プリトゥラは、ウクライナ軍の装備に充てる資金調達を支援している同国の政治家だ。プリトゥラは同じ動画をTwitter上に投稿し、13日午後の時点で50万回以上視聴されている。

「第1次世界大戦的な決闘だ。私たちがドネツク州の空挺部隊の1つに提供したウクライナのドローン『Mavic』が、ロシアの相手を撃破している。素晴らしい!」とプリトゥラは書いた。

この投稿に対し、あるユーザーは、対戦の現場は(ドネツク州の)マリンカ上空にジオロケーションされていると返信した。

航空ニュースを伝える「エアロタイム・ハブ」は、この未検証の映像は「ドローンによる空対空の戦闘が捉えられた最初の例で、ウクライナにおける戦争で小型民生ドローンが別のドローンと交戦した最初の例でもある」との見方を示した。

同サイトによれば、中国企業のDJIが製造するMavicは、ウクライナとロシアの軍だけでなく、ボランティアや準軍事組織も戦地で使用している。プリトゥラのウェブサイトによると、彼が運営している慈善団体は、Mavicの他に、赤外線画像機器を搭載したドローン「Autel」なども、ウクライナ軍のために購入しているという。

ドローンの空中偵察能力により、ウクライナ軍は「占領軍が絶えずその位置を変える中、砲撃を迅速に調整することができている」とプリトゥラは述べる。

ロシアはイランからUAVを入手

ロシアはドローンへの依存度を高めており、ウクライナの防空にとって新たな課題となっている。

イランは、公的には「中立の立場」としているが、ロシアにUAV(無人航空機)を供与しているとアメリカが7月に発表し、ロシアはその1カ月後にイラン製UAVを初めて入手した。その中には「Mohajer-6」「Shahed-129」「Shahed-191」が含まれており、いずれも空中投下する兵器の搭載が可能だ。

ウクライナ軍は9月13日、ウクライナ最前線の都市クピャンスク付近で、イラン製UAV「Shahed-136」の撃墜に成功したと発表、その証拠写真を公開した。

ニュースサイト「アクシオス」は、ウクライナ政府がイスラエルに、イラン製UAVのロシアへの輸送に関する情報を要請したと先月報じた。インテリジェンス会社「フラッシュポイント」は11日、「戦争におけるこれまでの広範な支援から、ウクライナもNATO(北大西洋条約機構)に同様の対UAVの支援を求めていることが予想される」とブログで指摘している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ノーベル生理学・医学賞、マイクロRNA発見のアンブ

ワールド

駐米ロシア大使、任期満了し帰国 後任指名するとクレ

ワールド

ヒズボラ、イスラエル第3の都市に初のミサイル攻撃 

ビジネス

賃上げ「継続必要」の認識広がる、消費も下支え=日銀
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大谷の偉業
特集:大谷の偉業
2024年10月 8日号(10/ 1発売)

ドジャース地区優勝と初の「50-50」を達成した大谷翔平をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティアラが織りなす「感傷的な物語」
  • 2
    借金と少子高齢化と買い控え......「デフレ三重苦」の中国が世界から見捨てられる
  • 3
    2匹の巨大ヘビが激しく闘う様子を撮影...意外な「決闘」方法に「現実はこう」「想像と違う」の声
  • 4
    新NISAで人気「オルカン」の、実は高いリスク。投資…
  • 5
    キャサリン妃も着用したティアラをソフィー妃も...「…
  • 6
    「核兵器を除く世界最強の爆弾」 ハルキウ州での「巨…
  • 7
    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…
  • 8
    常勝軍団の家族秘話...大谷翔平のチームメイトたちが…
  • 9
    羽生結弦がいま「能登に伝えたい」思い...被災地支援…
  • 10
    もう「あの頃」に戻れない? 英ウィリアム皇太子とヘ…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はどこに
  • 3
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティアラが織りなす「感傷的な物語」
  • 4
    借金と少子高齢化と買い控え......「デフレ三重苦」…
  • 5
    アラスカ上空でロシア軍機がF16の後方死角からパッシ…
  • 6
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 7
    【独占インタビュー】ロバーツ監督が目撃、大谷翔平…
  • 8
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 9
    NewJeansミンジが涙目 夢をかなえた彼女を待ってい…
  • 10
    羽生結弦がいま「能登に伝えたい」思い...被災地支援…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 3
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 4
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 5
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 6
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 7
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 8
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 9
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 10
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感.…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中