コラム

ユヴァル・ノア・ハラリ×オードリー・タン対談(1/3)──「ピンクのマスクはカッコいい」、誰もがルールづくりに参画できる社会の到来

2020年07月15日(水)15時25分

司会者 オードリー、あなたの見解はテクノロジーを利用して、私たちのためにコードを使うことのようですね。 ユヴァル、間違っていたら訂正してください。あなたはコードが、既存の偏見をルールとして確定させることを心配しているようですね。オードリー、あなたの解決策は、参加型のフレームワークと高速な反復を組み合わせたもののようですね。それがあなたの解決策の特徴ですか?

タン はい、間違いありません。もちろん、公平でなければならないし、楽しいものでなければならない。そのことについては後でお話ししましょう。はい、「速い」部分はその通り。不可欠です。

政府が、システムの修正やパッチと呼んでいるものでしか対応しないのであれば、以前からある偏見や間違ったコードを修正するのには十分ではないでしょう。一年に一回、もしくは4年に一度の投票や選挙の年だけに、3ビットだけアップロードしているようであれば、偏見を修正するのには十分ではありません。

誰もが自由にフォーク、つまり代替ビジョンを開発し、24時間のサイクルの中で融合することができれば、魔法のようなことが起こる。それは、少数の市民テクノロジストが土木技術者のような役割を果たせることになります。なぜなら彼らのコードが人口の半分以上の人に使われることになれば、これらのコードは、高速道路や一般道路と同じような役割を果たすことになるからです。またさらなるメリットとすれば、誰もが異なる未来を想像することができるようになります。

もしそうした未来が大まかなコンセンサスを得られたら、つまり多くの人がそれを受け入れられるようになれば、ピンクがおねえ的な色から、とてもかっこいい色へと変化します。社会にとっての新しいリアリティーとして、わずか24時間で変わることができるわけです。

(続く)

第2回:ユヴァル・ノア・ハラリ×オードリー・タン対談(2/3)──母親より自分のことを知る存在にどう対処すべきか
第3回:ユヴァル・ノア・ハラリ×オードリー・タン対談(3/3)──市民の力で新型コロナウイルスを克服した台湾モデルが世界に希望をもたらす

【関連記事】台湾のコロナ対策から学ぶ企業デジタル化のコツ
【関連記事】台湾IT大臣オードリー・タンの真価、「マスクマップ」はわずか3日で開発された

20200721issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月21日号(7月14日発売)は「台湾の力量」特集。コロナ対策で世界を驚かせ、中国の圧力に孤軍奮闘。外交・ITで存在感を増す台湾の実力と展望は? PLUS デジタル担当大臣オードリー・タンの真価。

プロフィール

湯川鶴章

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア、米との安全保障協議の用意 最後の米ロ核軍縮

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダック続落、AI懸念でハ

ビジネス

米クアルコム、1─3月期見通しが予想下回る メモリ

ワールド

米、重要鉱物で「貿易圏」構築提案 日米欧は戦略的連
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流していた? 首相の辞任にも関与していた可能性も
  • 4
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 5
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 8
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 9
    電気代が下がらない本当の理由――「窓と給湯器」で家…
  • 10
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story