コラム

「良いくどい人」と「悪いくどい人」

2019年04月24日(水)12時47分

感情的にくどくど言えば人は動かせない KatarzynaBialasiewicz-iStock.

<一度や二度指示してもやらない部下に、嫌われずに指示を守らせる方法>

世の中には「くどい人」がいます。皆さんの職場にもいませんか。何度も何度も同じことを執拗に言い続ける人のことです。しかし「くどい人」イコール「嫌な人」というわけではありません。「良いくどい人」と「悪いくどい人」がいることを知っておきましょう。

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。持ち味は「くどい」ことです。

頭ではわかっているのだけれども、なかなか行動に移せないことは誰にでもあります。「知っていること:ノウイング(knowing)」「やっていること:ドゥイング(doing)」に差があることを、「ノウイング・ドゥイング・ギャップ」と呼びます。

私どもの支援先企業にも、「ノウイング・ドゥイング・ギャップ」の状態の人がたくさんいます。私はそういう方に、淡々と同じことを言い続けます。

「先日、言いましたとおり期限通り、資料を提出してください」

「あ、はい。ごめんなさい。すぐにやります」

「先日、言ったとおり、期限内に、資料を提出してください」

「わかってますよ。すぐにやります」

「先日、言ったとおり、期限内に、資料を提出してくれませんか」

「わかってますって。......そんなにこの資料って大事なんですか?」

「期限内に、資料を提出することは最初に全員でコミットしました。ですから先日、言ったとおり、期限内に、資料を提出してください」

「わ、わかりました......」

「良いくどい人」の条件

さすがに、4回も5回も同じことを言う前に、相手が根負けするのが普通です。相手は大人ですから3回ぐらい言えば、たいていは聞いてもらえるものです。大切なことは淡々と言い続けること。

「どうして期限内に提出しないんですか? 何かできない理由でもあるんですか?」

「前も言ったじゃないですか。これで3回目ですよ。どうなっているんですか」

......などと感情的になってはいけません。感情的になってしまうと「もう何を言ってもダメですね。勝手にしてください」と捨て台詞を言うなどして、相手が変わることを諦めてしまうからです。これは本当の思いやりとは言えません。コツは、感情ゼロにしてロボットのようにずっと言い続けるのです。私は部下に対しても同じように言います。

「エレベーターを乗り降りする順番がおかしいよ。順番はわかってるよね?」

「この前推薦した本読んだ? 読んだほうがいいよ」

プロフィール

横山信弘

アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。全国でネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」発起人。「横山信弘のメルマガ草創花伝」は3.5万人の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『営業目標を絶対達成する』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者。著書はすべて、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。最新刊は『自分を強くする』。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ市攻撃で住宅多数破壊、米国務長官はイスラエル訪

ワールド

トルコで数万人が抗議、主要野党に対する法的弾圧巡り

ワールド

米中、スペインで協議初日終了 TikTok売却など

ワールド

ロシアに制裁科す用意、欧州の措置強化が条件=トラン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 3
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 4
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    【動画あり】火星に古代生命が存在していた!? NAS…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 8
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story