コラム

「良いくどい人」と「悪いくどい人」

2019年04月24日(水)12時47分

1年でも2年でも、淡々と言い続けます。決して、

「いい加減、エレベーターを乗り降りする順番ぐらい覚えたらどうだ? ビジネスマナーぐらい勉強しなさい。お客様の前で恥ずかしいだろう」

「どうして私が勧めた本を読まないんだ? 勧めてからもう半年以上たってるだろう? 私が推薦した本だから読まないのか? ええ? どういうつもりなんだ?」

などと感情的にはなりません。相手が「やる」と言ったことであれば、事情が変わらない限り淡々と繰り返せばいいのです。特別な技術など要りません。

「悪いくどい人」は健康を害する

反対に、終わってしまったことを、くどくど言うのはよくありません。

「わかってたんだよ。今回の商談はうまくいかないって。あえて私は何も言わなかったけど、あんなことやってたらお客様から評価されないのは当然だ。なぜこうなったのか、君はわかってるのか? 最初から経緯を説明したまえ。だいたい、あんな提案書を作ってるからダメなんだよ......」

上司から部下に対してだけではありません。家庭の中でもよくあることです。

「ご飯を食べるのに、どうしてそんなに時間がかかってるの? 言ってみなさい。どうしてそんなに時間がかかったの? お父さん、聞いてよ。1時間前からずっと言ってるのに、この子、全然私の話を聞いてないのよ。誰に似たのかしら。本当にいやになっちゃう。明日もこんなに時間がかかるんだったら、もう何も食べさせませんからね! いい? わかった? わかったか、ってお母さんは聞いてるの。返事ぐらいしなさいよ。さっきだってずっとテレビばかり観てたじゃないの。そんなにお母さんが作ったコロッケが美味しくないの......?」

終わったことをくどくど言うと、お互いの健康上よくありません。周囲の空気も悪くします。ひどいケースでは、「パワハラだ」と指摘されることもあります。

目的を果たすまでは、諦めることなく、執念をもって「くどくど」いきましょう。しかし終わってしまってからは「さばさば」しましょう。また同じことがあれば、終わるまで「くどくど」やればいいからです。

人の動かすために「良いくどい人」をめざし、「悪いくどい人」にならないようにしたいものです。

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※4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が尊敬する日本人100人」特集。お笑い芸人からノーベル賞学者まで、誰もが知るスターから知られざる「その道の達人」まで――。文化と言葉の壁を越えて輝く天才・異才・奇才100人を取り上げる特集を、10年ぶりに組みました。渡辺直美、梅原大吾、伊藤比呂美、川島良彰、若宮正子、イチロー、蒼井そら、石上純也、野沢雅子、藤田嗣治......。いま注目すべき100人を選んでいます。


プロフィール

横山信弘

アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。全国でネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」発起人。「横山信弘のメルマガ草創花伝」は3.5万人の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『営業目標を絶対達成する』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者。著書はすべて、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。最新刊は『自分を強くする』。

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