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オーストラリアの診察室から

高尾康端|オーストラリア

コードブラウンとあらゆるものが不足しているオーストラリア

画像: Morsa Images-iStock

1月19日よりビクトリア州ではコードブラウンが発令されました。オーストラリアの医療システムには緊急時のためのいいろいろコードがあります。国によって多少違いがありますが、多くの国でも似たようなシステムがあります。多くの人が聞いたことのあるものですとコードブルーが有名です。オーストラリアではコードブルーは心肺停止や患者が急変した場合に使われることがあります。他にも火災の場合に使用されるコードレッドや爆弾物の危険がある場合のコードパープルなどがあります。

コードブラウンは病院外の緊急事態に使われます。オーストラリアの医療現場で使われるは医療サービスや病院がより多くの患者を受け入れるキャパシティーが必要な場合は発令できます。今回のビクトリア州のコードブラウンはオーストラリアの歴史上では初めて複数の病院で発令されました。コードブラウンは病院のリソースを最適化する目的もあります。コードブラウンは通常大規模な交通事故、化学物質流出や自然災害の場合に発令されます。過去には大規模な森林火災や津波の時に病院単位で発令されたことはあったようですが、複数の病院で同時に、しかも感染症が原因で発令されたのは今回が初めてです。オミクロン株によるコロナ感染が増加していること、そして多くのスタッフが感染、又は隔離中のためオーストラリアの医療機関はどこも厳しい状況です。

コードブラウンが発令されればそのシステムで働く医療関係者を必要な部署に異動したり、必要であれば休暇をキャンセルすることもできます。また緊急性が低いとされるサービスなどが延期、又は他のサービスに回されることもあります。コードブラウンは今のところ4週間から6週間続く予定です。他の州では今のところコードブラウンは発動されていませんが、多くの医療スタッフが通常より少ないスタッフで患者をケアしたり、通常より長いシフトをしているようです。

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画像: DLMcK-iStock

オミクロン株の流行により医療関係者以外の分野でも人手不足が深刻です。多くのお店でスタッフがたりないため休業しています。スーパーや運送業でも人手不足のため流通にかなりの影響がでています。スーパーでは肉や野菜、トイレットペーパーなどがかなり品薄になっています。

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画像: Daria Nipot-iStock

オーストラリア政府はこの人手不足を解決するべく医療関係者を含むエッセンシャルワーカーは濃厚接触者でも無症状で、迅速抗原検査で陰性なら通常よりはやく仕事に復帰できるとしました。しかし数日おきに迅速抗原検査を受けなければいけません。迅速抗原検査も不足しているため、実際にこの方法を導入するのはまだ難しそうです。

はやく以前のような日常がもどればいいと思います。



参考
https://www.abc.net.au/news/2022-01-19/what-is-code-brown-emergency-in-victorian-hospitals/100765890
https://www.health.vic.gov.au/covid-19/pandemic-code-brown
https://www.9news.com.au/national/coronavirus-victoria-code-brown-hospitals-emergency-measure-explainer/71697f8f-11c0-4dcd-89e8-77ff23d335a7
https://www.sbs.com.au/news/victoria-has-declared-a-code-brown-covid-emergency-here-s-what-that-means/94c78e38-daf0-46f7-b13f-475ca14d1641

 

Profile

著者プロフィール
高尾康端

日本、スイス、シンガポール、アメリカで育ち、2004年からオーストラリアに移住。シドニー大学医学部を卒業。現在は東ブリスベンエリアHawthorne Clinicにて家庭医 (GP)として勤務。家庭医の観点からみる病気についての情報、また母国である日本と移住地オーストラリアの医療システムの違いや、オーストラリアで病気になった時に役立つ情報を発信している。

Twitter:@dryasutakao
Facebook:Dr Yasu Takao
ブログ:https://www.dryasutakao.com.au/blog

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