World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

ミャンマー軍事クーデターから3回目のダディンジュ祭りのヤンゴン

2023年ダディンジュの日のダウンタウ:筆者撮影

おはようございます。
雨期が明けたと思って油断して出かけたら長めのスコールでびしょ濡れになるヤンゴンから新町がお届けします。
今回は先月終盤に迎えたクーデターから3度目のダディンジュ祭り(雨期明けのお祭り)の時のヤンゴンの様子をお伝えしようと思います。
昨年の時の様子と比べて読んでいただけたら比較が出来てわかりやすいかと思います。

ミャンマー最大都市ヤンゴンで感じたダディンジュの夜

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それでは本題に入ります。
2021年のクーデター以降、二大祭りの一つである、雨期明け時期にあるダディンジュの在り方も大きく変わらざるを得ない状態です。
昨年の記事の中に在りし日の様子を載せているのですが、昨年はそんな賑やかな様子はどこにも無く人通りもまばらな寂しいダウンタウンの様子をお伝えしました。
今年のダジャン水祭り(4月に行われるミャンマー最大の祭りの時期)は見せかけだけとは言えそれなりにお祭りらしい雰囲気が出ていたということで、果たしてダディンジュはどうなるのか?というのは気になるところでした。

地方から出て来たミャンマー人の子とダディンジュの話しになった時、「ヤンゴンでは昔ダウンタウンに人力観覧車や人力メリーゴーランド何かが出てとても賑やかだったんだよという話何かをして、「今年はもしかしたら出たりするかも?」という話をしていました。
期待していた訳ではありません。
今の情勢を考えるとそういうものが出て欲しいと考えるのもどこか不謹慎なのかもしれません。
ですが、やはり大変な日々を過ごすミャンマーの人たちにとって非日常的なエンタメは必要だと私は考えています。

「今年は観覧車が出るらしい」
そんな話を聞いたのはダディンジュの為の3連休に入る直前でした。
ミャンマーでは人からの伝聞程怪しい情報は無いので、にわかに信じてはいませんでしたが、またあのような賑やかなダディンジュの夜が行われるならそれは是非みたいと思いました。
という事で当日の夕方くらいから愛車の自転車を走らせダウンタウンに向かいました。

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これはダディンジュだからという事ではなく休みの日なんかにもやっているのですが、手以外を使ってバレーボールのようなスポーツで「チンロン」というスポーツを近所の人が楽しむ様子です。
しかし、場所が線路沿いというところがなんともミャンマーらしいなと思いました。
勿論この線路は廃線では無く現役で使われているヤンゴン環状線です。
それほど本数が多くはないのですが、電車が通るたびに線路に座っている人たちはヤレヤレといった感じで電車をやり過ごします。

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ミャンマー最大の仏塔シュエダゴンパゴダに西側から向かっているところです。
コロナ以降私は中には入った事はありませんが、この日は凄い数の参拝者たちがいました。
出店なども沢山出ていて訪れる人は皆楽しそうでした。
ひと時でもそういう時間があるのは良い事だと思います。

ダウンタウン近くのとある場所。
このようにロウソクを飾ってダディンジュを迎える習慣があります。
ベランダや軒先などでも人々がこのようにロウソクを飾るのが一般的です。
去年よりは多くの家でそのような様子が見られたような気がします。

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ダウンタウンの様子、いつもより少しだけライトアップされているのかな?といった感じでした。
去年よりは人通りが多い街並みでしたが、当時の賑やかさとは程遠いものでした。
複雑な想いをしながら町を自転車で走りました。


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昨年もダディンジュの時に訪れたスーレーパゴダ(ゼロマイル地点にある仏塔)が綺麗に見える大きな歩道橋です。
去年は本当に人がいなくて寂しい限りでしたが、今年は歩道橋の上にも沢山人がいました。
何となくお祭りだから人は出て来たけど思ったように祭りのイベントはやっていなかったというところでしょうか?
めぼしいところは周れたので家路につきました。

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帰りに観たシュエダゴンパゴダ。
昨年も同じルートで帰りました。
これは東側から観た様子です。
時刻は20時頃でしょうか、まだ車も多く排気ガスで少し煙って見えます。

さて、いかがだったでしょうか?
これが、今のミャンマー最大都市ヤンゴンでの二大祭りの一つダディンジュのリアルな様子です。
これをもって今のミャンマー情勢をどう見るのかというのはここでは割愛しますが、私個人としてはもし在りし日の賑やかさが復活しているならそれはある意味喜ばしい事ではないのかなというところでしたが、まだ国民の多くはそれを望んでいなかったという事なのかもしれません。

盛大にダディンジュを祝う程ミャンマーは平穏なのだという誤ったメッセージが世界に流れる事は無かったのでその面は良かったと思う反面、毎年この時期に子供から年寄りまで楽しそうにお祭りに向かう幸せそうな人々を今年も観られなかったという気持ちもあり何とも複雑です。
そのように受け止めるかはそれぞれだと思いますが、とにかくこれが私の観たヤンゴンのリアルで複雑な様子が垣間見られる状態でした。

間違いなく言えるのは現状まだミャンマーは非常時であるという事です。
また心の底から楽しめるお祭りの時期が来る日が一日も早く来ることを願っています。
昨年とは違い今年のダディンジュの時期は2週間程後でした。
それでも雨期はまだ明けておらず、今日現在でもまだ大雨が降るような天気が続いています。

ミャンマーの現状を見て空もいつもより長く泣いているのかなとそんな風に感じている日々です。
本当の雨期明けがいつの日か訪れる事を多くの人が願い祈っている事でしょう。
引き続きミャンマーでそんな人々と一緒に行く末を見ていきたいと思います。

それでは、また明日。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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