
パリのカフェのテラスから〜 フランスって、ホントはこんなところです
パリ・プラージュとセーヌ川の遊泳スポット セーヌ川は本当に泳げる?

今やパリの夏の定番となっているパリ・プラージュ。パリのセーヌ川沿いをビーチのようにパラソルやデッキチェアなどが並び、様々などちらかというと、シンプルで古典的なアクティビティが設置される華やかな様子は、もはや、パリの夏の定番イベントとして定着しています。
昨年は、パリ・オリンピックのために警戒が厳しくなり、街全体がオリンピックモードだったので、異常警戒で、このパリ・プラージュの場所には、観客席になっていたりしたこともあって、ちょっとお休みでしたが、今年は、見事に復活しています。
中でも、今年は、このパリ・プラージュプロジェクトの一環として始まった「セーヌ川で泳ごう!」の「セーヌ川遊泳スポット」が3ヶ所オープンし、とうとうセーヌ川でも泳げるようになりました。とはいえ、パリ・オリンピックの際のトライアスロンの競技の際にも、度々、問題になったセーヌ川の水質問題は、実は、そこまで解消されているとは言い難い現状でもあります。
3ヶ所のセーヌ川遊泳スポット
今回、パリ市が公開している3ヶ所のセーヌ川遊泳スポットは、エッフェル塔の近くのグルネル遊泳場、シュリー橋のふもと、サン・ルイ島に面したマリー・アーム遊泳場(パリプラージュの中心的な場所)、そして、フランス国立図書館の向かい側、ベルシー公園の近くのベルシー遊泳場の3ヶ所に設けられています。昨年のパリ・オリンピックの際のトライアスロン競技をセーヌ川で行う・・という話を聞いて以来、幾度となく、セーヌ川の川面をみつめては、「本当にここで泳ぐの?」と、「これじゃ、罰ゲームみたいではないか・・」とこっそり思っていましたので、今年はパブリックに3ヶ所の遊泳スポットをオープンすると聞いて、少なからず、興味があり、一応、その3ヶ所の遊泳スポットを見学に行ってみました。
この遊泳スポットは、パリ・プラージュのオープンとともに、7月5日から解放されていますが、オープン当日は、なんとか無事に迎えたものの、その翌日から、イル・ド・フランス地域を襲った大雨のためにセーヌ川の水質が悪化し、オープン翌日には、一時的に閉鎖するという幸先の悪いスタートとなりました。
グルネル遊泳場 筆者撮影
その数日後に、とりあえず、エッフェル塔近くのグルネル遊泳場に行ってみたのですが、あまり大々的な表示もなく、地理的に一般道路から少し降りたところにセーヌ川があるためにちょっとわかりにくい場所ではあります。とはいえ、一応、この一画は、セキュリティによって管理され、入場者は手荷物検査を求められますが、この遊泳スポットに入ると、ロッカーやシャワー、トイレなどが完備されています。実際の遊泳場は、川面をブイで仕切られており、ポイント近くには、デッキチェアやパラソルなどがおいてあります。私が訪れた日は、そこまで大盛況というわけではありませんでしたが、そこそこ、まあ、来ている人もいるんだな・・そんな感じでした。
しかし、なんといっても私が気になっていたのは、このセーヌ川の水質問題ですが、なかなか私にとっては、泳ぐには、ハードルが高い感じでした。なにもパリのネガティブキャンペーンをしたいわけではないので、あまり、そこについては、言及はしたくはありませんが、百聞は一見にしかず、この写真を見て、お察しください。
セーヌ川は美しいパリの景色には欠かせないパリの風景の一部ですが、風景の一部として見るセーヌ川と泳ぐ場所として見るセーヌ川は、全然、違うということです。
もうひとつのシテ島の向かいにある遊泳場は、パリ・プラージュの中心にあり、私が訪れた日には、閉鎖されていましたが、ここは、どちらかといえば、パリ・プラージュそのものといった場所で、プラージュ=ビーチを楽しむ人々が大半で、日光浴をする人、パラソルの下で読書をする人、川沿いをジョギングする人(ここをジョギングする人は、かなりのスピードで走っているのにビックリしました)で、賑わっていましたので、この場所は、本当に遊泳スポットもここにある様々なアクティビティのうちの一つといった感じでもあります。
ベルシー遊泳場 筆者撮影
そして、この3ヶ所の遊泳スポットの中では、一番整っているのは、ベルシーで、ここは、かなりしっかりと管理されていて、川の中の遊泳スポットも遊泳部分とそれ以外の場所もブイだけではなく、かなりきっちりとした仕切りがされています。というのも、セーヌ川は、遊覧船を始めとして、人だけでなく、貨物の運搬にもけっこう使われている川でもあり、そのデッキチェアに寝転んで川を眺めていると、すぐ近くをたくさんの砂利を積んだ長い貨物船や車を運んでいる船なども通っていきます。とはいえ、川辺の風が気持ちよく、ついつい居眠りをしてしまいそうになり、ビーチサイド?としては、なかなか快適でもあります。このあたりは、パリのウォーターフロントとも言える場所で、この遊泳場より以前から、セーヌ川に浮かんでいるプール(こちらは、本物のプールでセーヌ川の水ではない)が近くにあり、また、船を改造したカフェなどが立ち並び、また、背後には、モダンなビルもけっこうあって、なかなか面白いエリアでもあります。
とんでもないものが発見された・・
ところが、数日後、先日訪れたグルネル遊泳場で、なんらかの動物の内臓の入った袋が流れてきて、現場は騒然となり、現場にいた180人が避難させられるという事件が起こりました。発見されたのは、遊泳場の中ではなかったという話ではありますが、ここの遊泳場、仕切りはロープで張られたブイだけなので、中に入ってみてはいないのでわかりませんが、この境界線がいかほどのものであるかは、疑問でもあります。現段階では、その内臓?なるものが何の内臓であったのかは、明らかにされていませんが、とかく色々なものが発見されがちなセーヌ川ですが、袋に入っていたとはいえ、何らかの動物の内臓とは、ちょっと笑えません。
とはいえ、このパリの3ヶ所の遊泳スポット。都会の街中でビーチ気分を味わえるお手軽スポット、遊泳場を含め、入場は無料なので、バカンスに出かけなくても夏のバカンス気分を味わえるパリの絶好スポットです。これを機にセーヌ川が浄化されていくことは、喜ばしいことではありますが、まだまだセーヌ川が心置きなく泳げるようになるまでは、途上段階といった感じです。

- RIKAママ
フランスって、どうしようもない・・と、日々感じながら、どこかに魅力も感じつつ生活している日本人女性。日本で約10年、フランスで17年勤務の後、現在フリー。フランス人とのハーフの娘(1人)を持つママ。東京都出身。
ブログ:「海外で暮らしてみれば・・」
Twitter:@OoieR