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NYで生きる!ワーキングマザーの視点

ベイリー弘恵|アメリカ

NYチェルシーで5月に開催された「大愚道場」体験記

©NY1page.com LLC

大愚和尚の一問一答お悩み相談でYoutuberとしても有名な大愚和尚さん。5月に欧米を回り、ニューヨークでも大愚道場を開くということで、Youtubeで拝見し大愚和尚さんのファンである私は、友人の縁もあり、念願の取材の機会を得ることができた。

ニューヨーク・チェルシーで開かれた「大愚道場」

── 仏教×身体×国際情勢。ちょっと不思議で、深くなる時間

NYチェルシーエリアで5月17日に開催された「大愚道場」は、ただ仏教について学ぶだけのイベントではなかった。

登壇した大愚和尚さんは、仏教の話をしながら、なんとマーシャルアーツ(武道)にも精通しているというユニークな経歴の持ち主。そのおかげで、ちょっとした"体感ワークショップ"まで体験できたのだ。

自分の「あり方」で体は変わる?

たとえば、両手を上げて、そのうちの低く見えてる方の腕をいったん下げ、ストレッチを加えながら中央に向けて再び上げていく。すると、なぜかそちらの手の方が高く上がるようになる。単純な動きなのに、どこか不思議な感覚が残る。

あるいは、ペアになって相手を抱え上げるというワークでは、持ち上げられる側が「自分が何になっているのか」を想像するだけで、重さの感じ方が変わるという。

実際に家で夫に試してみた。「私は今、根を張った樹齢数百年の木だ」とイメージしたところ、「本当に重くなった」と言われた。もちろん一瞬でドカ食いしたわけではないと、念のために言っておきたい(笑)。

物価と不安と、ニューヨークという街

今もニューヨークは、美しさやエネルギーにあふれていながらも、生活面では厳しさがある。物価や家賃の高騰に加え、一時的にトランプ大統領が国際貿易に課した関税の影響もあり、物流も滞った。今も回復しているとはいえず、大手スーパーマーケットWalmartでさえも悲鳴をあげている。

果たしてこれは、本当に労働者層のための政治なのだろうか? 富裕層がさらに富を築く構図になっていないか? そんな疑問が自然と浮かんでくる。

仏教がもたらす「地球規模の幸福」

そんな中でふと思った。もし大愚和尚さんの説く仏教の考え方が、もっと世界中に広まったらどうだろう?

人々がそれぞれの幸福を求める中で、他人と競争せず、慈悲心(じひしん)という、人を思いやる気持ちを持って生きることができるなら。もしかしたら、もっと穏やかで調和のある世界を目指すようになるのではないかと。

もちろん現実はそう簡単ではない。宗教には個人の出生や文化が強く絡んでいて、歴史の中では宗教が原因となった戦争も少なくない。すぐに世界が変わるとは思わない。でも、それでもなお「変えていこう」とする意思を持ち、大愚和尚さんとともに、仏教を伝えていくことが大切だと思う。

そうした役目は、仏教の教えを多く受け継いできたアジアの人々※1.にあるのかもしれない。

今回、ニューヨークのチェルシーでの「大愚道場」で、仏教の教えを英語で伝える大愚和尚さんの姿の中に、その未来への兆しが見えた気がした。

※1.仏教徒の多い国:上座部仏教圏(東南アジア)、大乗仏教圏(東アジア)、チベット仏教圏(ヒマラヤ地域)に分かれ、文化・生活・教育・政治まで影響を及ぼしている地域が多くあります。



【プロフィール】
大愚元勝(たいぐげんしょう)
佛心宗大叢山福厳寺住職。慈光グループ会長。僧名「大愚」は、何にもとらわれない自由な境地を表す。駒澤大学、曹洞宗大本山總持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。僧侶・事業家・セラピスト・空手家と4つの顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。また、過食、拒食、リストカットを繰り返す少女の母親からの相談をきっかけに始めた、YouTube のお悩み相談チャンネル「大愚和尚の一問一答」は、登録者 70 万人を超える。令和元年には、仏教の本質に立ち返り、「慈悲心、知恵、仏性を育む」ことを宗旨とする佛心宗を興し、新たなスタートを切る。主な著書に『苦しみの手放し方』(ダイヤモンド社)、『ひとりの「さみしさ」とうまくやる本』(興陽館)、『これでは、不幸まっしぐら』(佼成出版社)、『苦しい心が軽くなる 思いを手放すことば』(KADOKAWA)『自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法』(アスコム)『1日3分でしなやかな心が育つ 禅のことば』(講<br>談社)、『愚恋に説法~恋の病に効く30の処方箋~』(小学館)などがある。

大愚和尚の一問一答Youtube
大愚和尚オフィシャルサイト
大愚元勝 (@Taigu_gensho) - X

 

Profile

著者プロフィール
ベイリー弘恵

NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。

NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com

ブログ:NYで生きる!ベイリー弘恵の爆笑コラム

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