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農・食・命を考える オランダ留学生 百姓への道のり

森田早紀|オランダ

甘いものが溢れる シンタクラースのお祝い

(iStock - hansslegers)

オランダの代表的な冬の行事、シンタクラース。
スペインからオランダにやってくる。
船に乗ってやってくる。
サンタクロース、ならぬ、シンタクラース(聖ニコラス)。

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(iStock - Sjo シンタクラースが馬に乗って街を行進)

シンタクラースのお祝いは12月5日だ(正確には、5日がイブ。6日はシンタクラースがスペインに帰る日)。

クリスマスで活躍するサンタクロースのオランダ版とも言えるだろう。実際、サンタの基になった人物の一人とも言われている。シンタクラースのお祭りは中世に始まった。ごちそうで祝い、また貧しい人々の靴にお金を入れる、そんな慣習だったらしい。

近年では、シンタクラースが侍従たちと共に子どもたちのいる家を周り、「良い子」にはお菓子をあげ、「悪い子」は袋で連れ去られるとされている。家族や友達間では贈り物や詩を交換することもある。

この行事で一般的なお菓子は、

> Kruidnotenという、スパイスの利いた一口大のサクサクした焼き菓子 
> Pepernotenという焼き菓子。Kruidnotenと混同されることが多いが、私の印象としてはPepernotenの方がちょっと薬っぽい独特な味で、噛むとサクサクではなくしっとりしている
> Chocoladeletterはその名の通り、文字の形をしたチョコレート

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(iStock - Kruidnotenと文字チョコレート、メレンゲのキャンディー)

この時期になると、スーパーがこれらのお菓子であふれる。

 

実はシンタクラースがスペインからオランダに到着するのは、お祝いの日の数週間前、11月中旬だ。今年も11月13日に到着が祝われた。

私自身は今年が大学最終年、留学中最後のチャンス。オランダ4年目にして初めて、友達たちと正式にパレードを見に行った。コロナ関係の規制が前日の夜に厳しくなったが、子どもたちのためだからなどという理由で、シンタクラースのパレードは決行。

私の住んでいる街でも、街を横断するように流れる川を、シンタクラースが船で旅してやってきた。

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(筆者撮影 2021年11月 シンタクラースが船で到着)

音楽、沢山の観客、仮装した子どもたち。

シンタクラースが侍従たちと一緒に船から降りたら、馬車や馬に乗って、音楽隊と共に街中を行進。

途中で止まっては、馬車の上から、貴族の恰好をした人たちが、お菓子を子どもたちに与える。

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(筆者撮影 2021年12月 馬車に乗った貴族が下にいる子どもたちにお菓子を与える。赤い服の人に注目)

この光景を見てふと思ったこと。

そのお菓子を上から与える姿が、第二次世界大戦後のGHQの「ギブミ―チョコレート」の姿と重なってしまった。

子どもたちに砂糖まみれのものを次々と与えるなんて...

砂糖には麻薬と同じような精神的作用や中毒性がある。歴史的に見ても、砂糖は他国を服従させる手段の一つとして使われることがあった。化学的にも政治・経済的にもそれほど強い力を持つ物質だ。砂糖に依存した人々は、砂糖の供給を操るものの奴隷となる。

そんな物質をこのように子どもに食べさせるなんて...子どもたちを砂糖漬けにしようとしている企みに見えてしまった。

ハロウィンも似たような形だろう。

中学時代に家族とアメリカに住んでいた際、ハロウィーンには仮装して袋をもって、トリックオアトリートと近所の家を周ったのを覚えている。姉妹3人が最終的に集めたお菓子を並べたら、ダイニングテーブルを完全に覆ってしまうくらい沢山あった。

結局は数個自分たちのために取っておき、あとは学校の廊下に設置された、これまた大きな、横幅2メートル・深さ1メートルはあるのではという大きな段ボール箱に入れた。いわゆる恵まれない環境にいる子どもたちに寄付されるらしい。

経済面や心身の健康面等で問題を抱えがちであろう彼らを、さらに砂糖に依存させていく。

 

砂糖漬けにする、これには製糖業界、そして食品業界の利権も関わっているだろう。依存させれば依存させるほど、それを売って利益とする者には都合がいい。砂糖だけでなく、サプリメント・農薬・薬・ソーシャルメディアなども同じような構造だろう。

そんな社会の構図が垣間見えた気がした一日だった。

 

Profile

著者プロフィール
森田早紀

高校時代に農と食の世界に心を奪われ、トマト嫌いなくせにトマト農家でのバイトを二度経験。地元埼玉の高校を卒業後、日本にとどまってもつまらないとオランダへ。農業応用科学大学の4年生。卒業後は地元で百姓になり、楽しく優しい社会を、農を軸に築きたい!オランダで生活する中、感じていることをつづります。

Instagram: seedsoilsoul
YouTube: seedsoilsoul

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