学校で生成AI「禁止令」... 人工知能は先生たちの敵か味方か
多くの国が教育政策を定めるのにユネスコ(国連教育科学文化機関)のガイダンスを参考にしている。「教育・研究分野における生成AIのガイダンス」は文科省の方針と共通する部分も多いが、相違点もある。
ユネスコは倫理上の懸念を指摘し、13歳未満の利用を制限すべきと勧告しているが、利用自体はおおむね前向きに捉えているようだ。
例えば、生徒が生成AIに「現在の知識レベルを伝え、学習を伸ばすためのアイデアを出させること」や「タスクをこなすために情報源を提案してもらうこと」といった活用法を提案している。
これに対して、文科省ははなから慎重で、避けるべき事項が目立つ。「活用が有効な場面を検証しつつ、限定的な利用から始めることが適切」とした上で、「子供の感や独創性を発揮させたい場面」などで「最初から(生成AIを)安易に使わせる」のは適切ではないと記す。
ユネスコはAI丸写しレポート問題には触れていない。一方、文科省はいいアイデアをガイドラインに盛り込んだ。それは「クラス全体又はグループ単位等での口頭発表の機会を設ける」こと。
なるほど。宿題を教師がチェックしても、生徒が自力でやったかどうかは確認できない。だが、学んだはずの内容について語ってもらえば、生徒が課題や学習すべき内容を十分理解できているのかを確認できるはずだ。
生成AIが世界的に普及している今、幅広い活用の必要性を認めたほうがいい。ユネスコの前向きな姿勢を持ちつつ、この新しいツールを教育現場に浸透させ、効率よく活用できる方法を探るべきだろう。
トニー・ラズロ
TONY LÁSZLÓ
1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動。コミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)の主人公。

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