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「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイメージは誤解? 参政党を支える「意外な支持層」とは

THE SANSEITO SURGE

2025年11月13日(木)17時50分
広野真嗣(ノンフィクション作家)

「政治的な核を持たない層にとってそこは二の次なんですよね。『商品が同じなら新しいお店で』という感覚というか。昨年の衆院選あたりから、『れいわか参政党かで迷った』と話す人は多かった」

日本維新の会を離党した参院議員・梅村みずほが6月に合流したことで所属国会議員5人の要件を満たした参政党は、テレビ露出を急増させ、消費税ゼロを求める有権者が「新しい店」を発見したわけだ。24年の衆院選で議席を3倍(9議席)に伸ばしたれいわが今回、1増の3議席にとどまったのと対照的だ。もちろん、このほかに参院選前からの支持者もいる。観察してきた支持者のイメージを、古谷は「30代前半から50歳ぐらいまでの中間層」と表現する。


「困窮するロスジェネというより、店の経営者や、夫か妻が正社員で共働きとか、贅沢はせずとも普通かそれ以上の暮らし向きの人が多い。自分の経済的利益もあるけれど、経済が悪いというのは共通認識なので」

視点を変えると「これまで一度も選挙に行ったことがない無関心層」であることも多いと、古谷が続ける。

「無党派層ですらなくて、あえて言えば政治に無関心で、従来の右翼や左翼といった思想地図も知らない人たちです。情報源はYouTubeかTikTok(ティックトック)で、新聞やテレビは見ない」

古谷の身近にも1人いたという。

「彼女はシングルマザーでしたが、美容業界で仕事をして、生活には困っていませんでした。ところがコロナで自宅待機が始まり、ワクチン接種が始まった頃に、LINEが送られてきたんです。それが陰謀論の動画でした」

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