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「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイメージは誤解? 参政党を支える「意外な支持層」とは

THE SANSEITO SURGE

2025年11月13日(木)17時50分
広野真嗣(ノンフィクション作家)

陰謀論とは、出来事の原因を誰かの陰謀であると不確かな根拠を基に決め付ける考え方のことだ。

「アッという間に反ワクチン論者になって『コロナワクチンってビル・ゲイツの金儲けのためらしいよ』と唱え始めた。引き戻そうとしたけどダメでした。本当に政治も何も知らない人で、やはり一度も投票所に行ったことがなかった。彼女はその後、参政党の支持者になったのです」


古谷の好奇心を参政党に向かわせたこの逸話を聞くと、この党の今の姿にもつながる地平が見えてくる。

参院選の党首討論会(7月2日)で神谷は「多国籍企業がパンデミックを引き起こしたということも噂されている」と述べた。また、私が足を運んだ三重県での街頭演説(8月30日)でも「mRNAワクチンは本当に国民のためだったのか、製薬会社の利権だったのか」と叫んで支持者の喝采を浴びていた。

「ワクチン販売で利益を得た国際的な製薬企業が実はウイルスを解き放った」という考え方は、主に海外のブログに見られるが、科学界から「事実ではない」と評価されている。

ウイルスの起源についていえば、科学界で主流の自然由来説(野生動物から中間宿主を経て人間に感染したとする説)も確定的な立証に至っていない。そのグレーゾーンを突き、既存政党が手を出さない際どい論を取り出しつつ編まれた演説で、神谷は熱狂を起こしていたのだ。

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