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【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ

2026年03月21日(土)08時30分
佐々木達也(証券アナリスト、金融ライター)
三菱商事が参画するカナダのLNG施設

三菱商事が参画するカナダのLNG施設 REUTERS/Jesse Winter

<中東情勢によりエネルギー市場が混乱し、株式市場では資金シフトが起きている。注目が集まる資源株の中でも、LNGや銅鉱山の権益を有する三菱商事は、業績の上振れも期待されている>

アメリカとイスラエルによるイラン攻撃、それに端を発したホルムズ海峡封鎖の懸念によって原油価格が急騰。WTI原油先物は一時1バレル119ドルを突破し、北海ブレント原油も高止まりを続けるなど、世界のエネルギー市場は未曾有の混乱期にあります。

そんな中、株式市場では資源株への大規模な資金シフトが起きています。インフレ抑制のための利上げ局面においても、実物資産の裏付けを持つ資源セクターへの投資家の視線が熱を帯びつつあります。注目したいのは、大手商社の中で資源関連の利益割合が高い、三菱商事<8058>です。

資源価格の上昇が止まらない理由

世界のエネルギー供給の大動脈であるホルムズ海峡は、依然として緊張状態にあります。海峡の最も狭い部分の幅は30キロほどしかなく、たとえアメリカ軍などの護衛があったとしても、タンカーが攻撃を受ける可能性は残ります。

100%の安全が担保されない以上、民間企業が巨額の損失を負うリスクを冒して海峡を突破する必然性はない、と言っていいでしょう。この物理的な供給途絶リスクが、当面の間、資源価格の上昇を収束させない最大の要因となっています。

また、今回の事態で改めて中東の原油に過度に依存するリスクを痛感した国際社会では、中東圏以外からのエネルギー確保を急ぐ動きも加速しています。北米やオーストラリアからのLNG(液化天然ガス)の調達拡大や、次世代エネルギーとしての水素・アンモニア供給網の構築などが急ピッチで進められています。

こうしたエネルギー供給源の多角化は、これまでの環境対策を超えた「エネルギー安全保障」の最優先課題として、今後の資源価格を下支えする構造的なトレンドとなりそうです。

三菱商事の「権益」が真価を発揮する

こうした流れを踏まえて注目したいのが、5大商社の中でもポートフォリオにおける資源比率が高い三菱商事<8058>です。オーストラリアの原料炭事業のほか、世界各地のLNGプロジェクトでも圧倒的な権益を有しており、投資家の関心が高まりつつあります。

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