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「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイメージは誤解? 参政党を支える「意外な支持層」とは

THE SANSEITO SURGE

2025年11月13日(木)17時50分
広野真嗣(ノンフィクション作家)

参政党の結党はコロナ禍最初の緊急事態宣言発出直後の20年4月。経過は後述するが、ステイホームの孤独や不安を抱えた人々の前にYouTubeを通じて登場し、その受け皿となる。

党と支持者を結び付けたコロナは終わった。しかし、参政党は体制に置き去りにされたと感じる人々を「政府やメディアが伝えない情報」でつなぎ留める構えは続けた。そこでチューニングされた主張が「消費税廃止」であり、「日本人ファースト」だと古谷はみていた。


参政党と神谷宗幣、挫折と進化の18年(年表)

第2章 「庶民」たちの革命

参政党の集票力の源泉は、主張の調整だけではなく、有権者をキャッチする地方組織にもあった。街頭演説の場に赴くと、オレンジの服装の党員がチラシ配りや会場整理にキビキビと汗をかいていた。

神谷が強引に衆院の小選挙区に合わせた支部分割を断行したのは22年の参院選直後。当時は党内で反対論もあったというが、コロナ禍が終わりを告げる直前の23年春の統一地方選で、参政党は100人規模の都道府県議・市区町村議の当選という結果をたたき出し、24年は衆議院で3議席を得た。地方議員の数が155人にまで膨れたところで25年の参院選を迎え、選挙区だけでいきなり7議席も得ることになるのだ。

ちなみに、同じ新興政党でもれいわは支部をつくらず選挙ごとにボランティアを募る方式を取る。地方議員は現時点で59人と見劣りする。

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