最新記事
ドローン

ドローンが戦争の常識を覆す...ウクライナ戦争に見る「非接触型戦争」の最前線とその実態

SWARM UND DRANG

2025年10月1日(水)19時15分
ヤシル・アタラン(戦略国際問題研究所〔CSIS〕研究員)
ロシアのドローンを迎撃する曳光弾

ウクライナの首都キーウの夜空に襲来したロシアのドローンを迎撃する曳光弾。ロシアのドローンによる一斉攻撃が急増している(昨年12月) GLEB GARANICHーREUTERS

<ロシアは安価なドローンを大量生産し発射数を急増させて消耗戦での勝利を狙う──新たな「非接触型戦争」はどう展開する?>

私たちは今、人類史上最も破壊的な軍拡競争の渦中にいる──ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は9月24日、国連総会でそう演説し、ロシアが仕掛けているドローン(無人機)による大規模攻撃に言及した。

国連総会でのゼレンスキー大統領の演説(9月24日)


9月7日未明、ロシアはウクライナに侵攻して以降、最大の空爆を行った。一晩で800機を超えるミサイルと軍事ドローン「シャヘド(ロシア名・ゲラニ)」が攻撃。標的はウクライナにとどまらず、9日から10日にかけては攻撃型ドローン19機がポーランド領空を侵犯し、NATO軍は戦闘機を緊急発進させた。ロシア軍は13日に、ルーマニア領空も侵犯している。


これは、大量生産の安価な自爆型ドローンを空爆作戦の核に据えたロシアの新戦略の表れだ。

ロシアはこの3年間で、自爆型ドローンの発射数を大幅に増やしてる。筆者の所属する戦略国際問題研究所(CSIS、ワシントン)がウクライナ空軍のデータを分析したところ、侵攻初期のロシアのドローン発射数は月平均150〜200機だったが、現在の生産・配備数は月5000機近くに上り、週平均では1000機を超える。

ウクライナに発射したシャヘドとその派生型は、今年だけで3万3000機を超えた(前年同期は4800機)。一方で巡航ミサイルや弾道ミサイルの発射数は、それほど増えていない。

資産運用
「高市トレード」に「トランプ関税」......相場が荒れる今こそ投資家が目を向ける「世界通貨」とは
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は反落、米・イスラエルのイラン攻撃を

ビジネス

マクロスコープ:ホルムズ海峡封鎖「意外と早く沈静化

ビジネス

中東情勢の緊迫化、状況をしっかり注視していきたい=

ワールド

アングル:米国のイラン攻撃、中間選挙を前に試される
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作曲家が「惨めでもいいじゃないか」と語る理由
  • 4
    ドバイの空港・ホテルに被害 イランが湾岸諸国に報…
  • 5
    「本当にテイラー?」「メイクの力が大きい...」テイ…
  • 6
    【銘柄】「三菱重工業」の株価上昇はどこまで続く...…
  • 7
    【銘柄】「ファナック」は新時代の主役か...フィジカ…
  • 8
    米・イスラエルの「イラン攻撃」受け、航空各社が中…
  • 9
    「高市大勝」に中国人が見せた意外な反応
  • 10
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 5
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 8
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 9
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中