ウクライナの大規模ドローン攻撃、米本土でも「容易に起こり得る」──防衛企業CEOが警鐘
Mass Drone Attack 'Could Easily Happen' on US Soil, Defense CEO Warns

ウクライナ保安庁の情報提供者が公開した映像からの一場面で、ウクライナのドローンがロシア領深部の軍用機を攻撃する様子(6月1日) Source in the Ukrainian Security Service via AP, File
<トランプ「ゴールデン・ドーム」計画でも防げない。ウクライナの歴史的対ロ奇襲作戦「スパイダーウェブ」で西側防空システムの脆弱性が露呈>
ウクライナがロシア奥深くの空軍基地を標的にした奇襲作戦から、3カ月半が経過した。綿密に計画されたこの攻撃で、ウクライナ軍のドローンはロシア国境から千数百キロ離れた基地に到達した。
1年半以上かけて準備したこの作戦により、ウクライナ側はロシアの航空機の3分の1、計41機を撃破したと主張している。西側の軍関係者はその大胆さと精密さに驚かされると同時に、自国の防衛体制の脆弱さを突きつけることになった。
「スパイダーウェブ作戦」と呼ばれるウクライナの攻撃について、オーストラリアのドローン迎撃企業「ドローンシールド」のアメリカCEOであるマット・マクランは、「同様の攻撃は他国でも簡単に起こり得る」と警告する。
「アメリカ本土でさえ、地域によってはロシアに対して行われたウクライナの攻撃よりも実行が容易な場合がある」とマクランは本誌の取材に答えた。
ウクライナの作戦が「非常に緻密だった」のに対し、アメリカは「防衛が甘く、入り口が開いた状態」だという。敵対国が軍事基地周辺に装置を配置し、「ウクライナ式の作戦を準備するのを妨げるものは何もない」と続けた。