「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミイラ」をアジアで発見、その驚くべき姿とは?
Archaeologists Discover the Earliest-Known Mummies
発表によると、選定された骨サンプルに対してX線回折分析と赤外分光分析を行った結果、比較的低温ではあるが熱にさらされた痕跡が確認されたという。
こうした発見から、研究チームは多くの遺体が埋葬前に火を用いた長時間の燻煙乾燥処理を施されていたと結論づけた。この手法は、オーストラリア先住民やニューギニア高地の一部の民族に見られる葬送の伝統と類似しているという。
「本研究は、東南アジアから中国南部、さらにその周辺に広がる広大な地域において、約1万2000年前から4000年前の考古学的文脈の中で、主に屈んだ姿勢で保存された燻煙ミイラの存在を明らかにしている」と研究者らは記している。
「この技術はニューギニア高地やオーストラリアの一部地域において、民族誌に記録される時代まで受け継がれている」と研究者らは述べている。
また考古学者らは、中国南部および東南アジアにおけるこれらの埋葬が、最終氷期末から完新世初期〜中期にかけてのものであり、後の新石器時代の埋葬習慣とは大きく異なる点を強調した。
「こうした埋葬は、新石器時代に一般的になった、手足を伸ばして仰向けに寝かせる埋葬様式とは大きく異なる。遺体の曲がった姿勢や焼け跡は、解釈上の課題を投げかけるものだ」と研究者らは指摘する。