最新記事
考古学

恐竜もエサにした7000年前の「頂点捕食者」の姿が明らかに...ワニの祖先の「超肉食性動物」は何者か?

Ancient Crocodile 'Hypercarnivore' Discovered—And It Ate Dinosaurs

2025年9月1日(月)16時59分
マリア・アズーラ・ヴォルペ
水に浮かぶワニ

(写真はイメージです) David Clode-Unsplash

<アルゼンチンで発見されたのはクロコダイル型の新種の化石。恐竜絶滅直前に食物連鎖の頂点に立っていた「超肉食動物」の謎に迫る──>

古生物学者らが、約7000万年前に現在のアルゼンチンに生息していたクロコダイル型の「ハイパーカーニボア(超肉食性)」動物の化石を発見した。この生物は、恐竜を捕食していたと考えられている。

【動画】恐竜も捕食した「大きな歯と顎」の形が明らかに...「頂点捕食者」ワニの化石

コステンスクス・アトロクス(Kostensuchus atrox)と名付けられたこの新種は、恐竜絶滅直前の白亜紀末期・マーストリヒチアン期に生きていた。当時のアルゼンチン南部は、温暖で季節的に湿潤な気候の淡水氾濫原が広がっており、恐竜やカエル、さまざまな哺乳類が共存していたという。

K. アトロクスの骨格はほぼ完全な形で発見され、とくに頭骨と顎は良好な状態で保存されていた。研究チームによれば、この個体は全長約3.5メートル、体重はおよそ250キログラムに達していたと推定される。

幅広く強靭な顎と大きな歯を持ち、大型の獲物を仕留める能力があったようだ。中型の恐竜も捕食していた可能性があり、当時の生態系における頂点捕食者のひとつだったと研究チームは指摘している。

この新種の属名は、先住民テウェルチェ族の言葉で「パタゴニア地方の風」を意味する「コステン(Kosten)」とエジプト神話のワニ頭の神「ソウコス(Souchos)」に由来する。一方、種小名の「アトロクス」は、ラテン語で「獰猛な」「厳しい」といった意味を持つ。

K. アトロクスは、アルゼンチン南部に露出する約7000万年前の地層「チョリージョ層」から見つかった初のクロコダイル型化石であり、現代のクロコダイルやアリゲーターに近縁な絶滅グループ「ペイロサウルス科」の中でも、最も完全に近い標本のひとつとされている。

メンバーシップ無料
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏 、 ホルムズ海峡に多くの国が軍艦派遣と

ビジネス

イラン情勢注視続く、FRB金利見通しも焦点=今週の

ワールド

イスラエル、レバノンと数日内に協議へ ヒズボラと戦

ワールド

北朝鮮の金総書記、多連装ロケット砲の発射訓練視察=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングアップは「2セット」でいいのか?
  • 4
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 7
    ぜんぜん身体を隠せてない! 米セレブ、「細いロープ…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 10
    【銘柄】「日本マクドナルド」の株価が上場来高値...…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中