ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・ロマエとは「別の役割」が...専門家が驚きの発見

DUOTONE_/Pixabay
イタリア・ナポリ近郊の古代都市ポンペイ遺跡で、考古学者たちが驚くべき新たな発見をした。公衆浴場よりもホットな、超豪華プライベート浴場だ。西暦79年のベスビオ火山の噴火で都市が消滅してしまう前まで、上流階級の指導者らが送っていた優雅な生活を垣間見ることができる。
■【写真】ポンペイ遺跡の未調査地区で発見された「浴場」、テルマエ・ロマエ(公衆浴場)とは異なる「役割」が
この浴場は精巧なモザイク装飾が施され、温水から冷水まで自由につかることができる個別の部屋を備えた隠れ家スパで、ポンペイの個人宅温泉施設としては最大のものかもしれない。
30人ほどが使用できる広さで、カルダリウム(高温浴室)や大きな水風呂も備えていた。こうした設備は公衆浴場では一般的だったが、私邸で見つかるのは珍しい。
この浴場はポンペイの中でもほとんど調査が進んでいないIX地区にあり、当時の暮らしについて理解を深める重要な発見だ。浴場は富裕層のリラクセーションの場だっただけでなく、娯楽や社交、政治活動の場としても使われたと考えられる。
「人々の同意形成や選挙活動、取引の場でもあった」と、同遺跡責任者のガブリエル・ズクトリーゲルは言う。そしてもちろん、桁違いの富をひけらかすのにも役立ったようだ。