「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミイラ」をアジアで発見、その驚くべき姿とは?
Archaeologists Discover the Earliest-Known Mummies

(写真はイメージです)Chelms Varthoumlien-Unsplash
<研究チームが発見したのは、古代エジプトよりも何千年も前に「燻製」技術で作られたミイラだった──>
考古学者らが、人類によるミイラ化の最古の痕跡を発見した。これは古代エジプトの例よりも数千年さかのぼるものと見られている。
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アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されたこの研究は、国際的な研究チームによって実施され、東南アジアおよび中国南部の複数の埋葬地を分析し、先史時代のミイラ化の痕跡を明らかにした。
研究によれば、約1万2000年前から4000年前の狩猟採集民は、遺体保存のために燻煙乾燥の技術を用いていたという。「これは世界最古の人為的なミイラ化の事例だ」と研究チームは論文で述べている。
東南アジアのこれらの社会では、死者を屈んだ姿勢や膝を抱えるような体勢で埋葬することが多く、焼けた痕跡のある遺体も残っていた。「こうした埋葬様式は、新石器時代以降に見られる仰向けで手足を伸ばした埋葬とは対照的だ」と研究チームは指摘している。
今回の研究では、合計95カ所の考古学遺跡から採取した骨のサンプルを分析した。
研究チームによると、遺体が屈んだ姿勢のまま保たれ、骨がバラバラになっていないことから、埋葬前は腐敗が進んでいなかったと考えられる。反対に、遺体が乾燥した状態で埋葬されたことを示す証拠も得られた。