石破首相が著書に記した「誠実さ、謙虚さ、正直さ」に見る、参院選後「続投する理由」
「必要なのは...丁寧な説明を繰り返すこと」
先の参院選での敗北については、裏金問題などにけじめをつけなかったことが大きく影響したとも言われ、この点についても今回と同じだ。
意地の悪い言い方をすれば、自民党は昔も今もまったく変わっていないのである。事実、石破おろしに奔走している議員の姿を見せられ、「やはり自民はこの程度」と感じた人も少なくないことだろう。
石破氏は、2009年の自民党についてこうも述べている。
このとき痛感したのは、政策が正しければそれでいい、というものではないということです。もちろん政策が正しいことは大前提です。間違った政策、実現不可能な政策を選挙目当て、イメージ先行で進めていいはずはありません。
必要なのは、正しい政策を用意したうえでさらに「政府は私たちのことをわかってくれている」と思ってもらえるように、丁寧な説明を繰り返すことなのです。(108〜109ページより)
この「『政府は私たちのことをわかってくれている』と思ってもらえるように」という部分は、まさしく国民が望んでいることであるはずだ。しかし、それはほぼ実現不可能かもしれないと多くの人々が感じたからこそ、参院選があのような結果になったわけだ。
石破氏がどう考えていたとしても、結局のところ自民党は16年前からまったく進歩していないということになる。「ポスト石破」をめぐるみっともない騒ぎを見ていても、残念ながらそう感じずにはいられない。