石破首相が著書に記した「誠実さ、謙虚さ、正直さ」に見る、参院選後「続投する理由」
「自民党の政策が間違っていたのではなかった」
あのとき、自民党の議席は300議席から119議席へ、すなわち、ほぼ3分の1に減った。世論調査などから敗北が避けられないことは分かっていたものの、結果には大きな衝撃を受けたようだ。
ただ、野党になってすぐにやらなければならないこともわかっていました。なぜ自民党は敗れたのか。野党にならなければいけなかったのか。このことを徹底して検証することです。
当分政権に戻ることはないとしても、その間にできることは何か。何をすべきで、何をすべきではないか。
もう一つ、強く思ったのは、自民党が分裂するような事態は絶対に避けなければいけない、ということでした。(102ページより)
石破氏は今、参院選大敗後も続投に意欲を示していることで非難を浴びている。その理由としては「日米関税合意の確実な実行」などに取り組む必要性を示したわけで、それがまた炎上につながったりもした。
だが上記の記述を確認する限り、どれだけ非難を受けようとも揺るがない今回の姿勢は、当時から一貫したものなのではないかと感じもする。人それぞれ感じ方は異なるだろうが、私はこの部分を読んだときにそう感じた。
そもそもあの時、なぜ自民党は野党に転落したのでしょうか。なぜ有権者に嫌われたのでしょうか。
私は、決して自民党の政策が間違っていたのではなかったように思います。それよりも、党のあり方に対する厳しい見方が大きかったのではないでしょうか。簡単に言ってしまえば、「自民党だけは嫌だ」という思いが有権者に蔓延していた気がします。(104〜105ページより)