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米政権、製薬・半導体など30業界と交渉 中間選挙見据え成果狙う

2025年10月03日(金)01時37分

トランプ米政権は、国家安全保障や経済安全保障に不可欠とみなされる最大30の業界とのディール(取引)を進めているもよう。写真はホワイトハウスで9月撮影(2025年 ロイター/Ken Cedeno)

Dawn Kopecki Jarrett Renshaw Sabrina Valle Ernest Scheyder

[ニューヨーク 2日 ロイター] - トランプ米政権は、国家安全保障や経済安全保障に不可欠とみなされる最大30の業界とのディール(取引)を進めているもよう。政権側は関税減免と引き換えに、譲歩や収益保証、経営難の企業の株式取得といったさまざまな施策を提案しているという。協議に詳しい関係者が明かした。

情報筋によると、米製薬大手イーライリリーやファイザー、英製薬大手アストラゼネカなど大手製薬会社の幹部は、ワイルズ大統領首席補佐官を含むホワイトハウスのスタッフや保健福祉省や商務省など省庁の幹部から、医薬品の増産や米国本社新設の検討要請などを巡り、ほぼ毎日電話を受けている。

関係者によればこれは氷山の一角で、半導体や人工知能(AI)、量子コンピューティング、重要鉱物、造船などさまざまな分野が政権の働きかけを受けているとされる。

同筋によると、このディールメイキングの狙いは、2026年の中間選挙を見据え、トランプ大統領の政治的成果をアピールすることが目的。2人の情報筋は、ディール自体と同じくらい重要なのは見た目であり、トランプ氏が自ら成果を発表することに意味があると語った。

イーライリリーの広報担当者は、政権とのやり取りについては承知していないとし、「米国企業として、われわれは米国での製造能力の拡大に尽力している」と言及。ファイザーとアストラゼネカはコメントを控えた。

ホワイトハウスも政権の具体的な計画の詳細についてはコメントを控えている。

ファイザーとトランプ大統領は先月30日、ファイザーが関税減免と引き換えに、低所得層向けの公的医療保険「メディケイド」の処方薬価格を他の先進国並みに引き下げることで合意したと発表した。

ロイター
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