石破首相が著書に記した「誠実さ、謙虚さ、正直さ」に見る、参院選後「続投する理由」
今こそ再び、こうした思いを形にしていただきたい
繰り返すが、私は石破支持派ではない。しかし、この状況下では、ましてや本書を読んだ今となっては、比較的まともに見える石破氏を多少なりとも応援したくなってもいる。
どうやって国民の信頼を取り戻せるか、あんなに一所懸命やった三年間はありません。その経験はその後の政権交代の大きな力となっています。だからこそ野党時代の経験というのは、私にとっても、自民党にとっても忘れてはならないものであると思うのです。(116ページより)
2009年衆院選の「衝撃」を振り返る「誠実さ、謙虚さ、正直さを忘れてはならない」はこのように締めくくられる。
今こそ再び、こうした思いを形にしていただきたい。そうすれば、自民党に対するイメージも変わってくるだろうし、なによりそれこそが、いま石破氏に求められているものではないだろうか。
『私はこう考える』
石破 茂・著
新潮新書
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[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。他に、ライフハッカー[日本版]、東洋経済オンライン、サライ.jpなどで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。ベストセラーとなった『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)をはじめ、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)など著作多数。2020年6月、日本一ネットにより「書評執筆本数日本一」に認定された。最新刊は『現代人のための 読書入門』(光文社新書)。

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