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「アメリカの経営者は終わってる」──Coldplay「キスカム」事件が示す、彼らに圧倒的に「足りないもの」

What Coldplay Kisscam Scandal Says About America's Leadership Crisis | Opinion

2025年7月25日(金)18時33分
レス・T・チョルバ

そうしたリーダーは、自らの強みに自覚的であり、限界を正直に見つめる。そして──あえて言えば──「失敗するには自己認識がありすぎる」。

だが、これは覚悟が要る。カリスマ性や決断力のような「強み」でさえ、放っておけばリスクに変わる。だからこそリーダーには、外側からの「規律」と、内側からの「節度」が必要だ。360度評価や率直な助言者といった外的フィードバック、そして日々の自己点検といった内的な鍛錬が。

私の提唱する「AWARE」フレームワークは、それを明確に示している:

Alert to blind spots(盲点に敏感であれ)
Will to face flaws(欠点と向き合う意志を持て)
Attentive to strengths(強みを意識して使いこなせ)
Reflect on risks and derailers(リスクや逸脱要因を振り返れ)
Exercise superpowers to lift others up(他者を引き上げる力を使え)

自信が神格化され、弱さが罰せられるような時代において、それは簡単なことではない。だが、得られるものは大きい。皮肉ではなく、信頼を呼ぶリーダー。ミームではなく、忠誠と共感を築くリーダー。

あのバイラル動画は、単なる「晒し」ではない。それは警告弾だった。あるCEOの過ちが職を失わせた。しかし、真の代償を支払っているのは私たち自身だ。リーダーたちが無自覚のまま破滅へと進んでしまう文化。それがこの社会の現実だ。

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