最新記事
ビジネス

「アメリカの経営者は終わってる」──Coldplay「キスカム」事件が示す、彼らに圧倒的に「足りないもの」

What Coldplay Kisscam Scandal Says About America's Leadership Crisis | Opinion

2025年7月25日(金)18時33分
レス・T・チョルバ

ハイドリック&ストラグルズでは、こうした現象を日々目にしている。チームは「波風を立てない」ために本音を避け、その結果、混乱が深まる。率直さよりも愛想が評価される組織では、盲点はただ広がるだけでなく、「転移」し始める。

核心はここにある。自分で「気づいていること」は、自分でコントロールできる。「気づいていないこと」は、あなたをコントロールする。自己認識とは、スキャンダルを避けるための防波堤ではない。本当の可能性を引き出す鍵だ。

それは信頼やしなやかさを育み、うわべではなく「胆力」で導くための土台となる。

コールドプレイのコンサートでのあの映像が暴いたのは、1人のCEOと人事責任者の軽率さだけではない。「自分のエゴすら見抜けないリーダー」にはもううんざりだという、国全体の空気だった。

だが同時に、あの映像はある欲求にも火をつけた。見せかけではない「本物」を求める声。インスタ映えするだけのリーダーではなく、現実に立ち向かえるリーダー──地に足がつき、目の前にいて、自分自身と向き合うことを恐れない存在。それを、私たちは待っている。

2008年の世界金融危機から、シリコンバレー銀行の経営破綻に至るまで──盲点が沈没させるのはリーダーだけではない。経済そのものにクレーターを生む。ただ、誰も「皇帝は裸だ」と言わなければ、本人が気づくわけがない。

だが、自らの欠点と向き合えるリーダーは、単に危機を回避するだけではない。もっと遠くにある「兆候」を見抜く力を持つ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

高市首相、応援演説で円安メリットに言及 米関税のバ

ワールド

米政府機関の一部が閉鎖、短期間の公算 予算案の下院

ビジネス

中国1月製造業PMIが50割れ、非製造業は22年1

ワールド

トランプ氏、労働統計局長にベテランエコノミスト指名
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態
  • 4
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 5
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 6
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 10
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 7
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中