中国、海南島で自由貿易実験開始 中堅国並み1130億ドル規模
写真は中国国旗。2022年5月撮影。REUTERS/Dado Ruvic
Joe Cash
[北京 18日 ロイター] - 中国は18日、中堅国に匹敵する経済規模とベルギーほどの面積を持つ南部のリゾート地、海南島を税関手続き面で本土から切り離した。
政府関係者は海南省を免税地帯にすることで外国からの投資を誘致したい考え。現地で少なくとも30%の付加価値を達成した製品は無関税で本土に持ち込めるほか、外国企業は本土では制限されているサービス分野での事業も可能になる。
中国はまた、包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)の加盟国に対し、この「海南自由貿易港」のようなパイロットプロジェクトを通じて貿易と投資の開放に関する同協定の高い基準を満たすことができると示そうとしている。
国営通信新華社は論説で「中国は海南自由貿易港を、国の開放を新時代へと導く重要なゲートウェイにすることを目指している」と説明。「近年、保護主義や一国主義の台頭によって影響を受けている自由貿易に大きな弾みをつけることも期待される」とも付け加えた。
エコノミストらは、海南で自由化が成功すれば、政策立案者にとって中国経済のより多くの部分を市場原理にさらす勇気が湧いてくるかもしれない、との見方を示した。
海南の昨年のGDP(域内総生産)は1130億ドルで、世界銀行のデータによると世界で70番目に大きな経済規模に相当。それでも香港の4070億ドルには遠く及ばない。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、徐天辰氏は「海南モデルは基本的に、サプライチェーン(供給網)の再統合に最適な管理された自由化を提供しているが、香港が誇る法制度や金融の開放性には欠けている」と指摘。東南アジアや日本とも競争しなければならず、成功は約束されていない、と語った。





