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【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒並み急騰中。三菱重工より注目の古野電気とは?

2025年12月11日(木)10時35分
佐々木達也(証券アナリスト、金融ライター)
大手の三菱重工業よりも注目される古野電気

大手の三菱重工業よりも注目される古野電気 Rosemarie Mosteller-shutterstock

<衰退していた日本の造船業が「国策銘柄」としてにわかに注目を集めている。多くの関連銘柄の株価が上昇する中で、大手の三菱重工業よりも注目される古野電気とはどんな会社なのか>

「我が国の造船業再生」「島国の日本に不可欠な船舶」──11月に開催された高市政権の経済政策を議論する「日本成長戦略会議」で、議題のひとつとして強く要望する提言があったのが、造船業の再生です。

四方を海に囲まれ、貿易量の99%を海上輸送に依存する日本にとって、海運を支える造船業の強靱化は非常に重要な課題です。海外勢との競争激化で衰退する中、地政学的リスクの観点からも、日本の造船業の復活に向けた動きが強まっているのです。

日本の造船業界のいま

日本の造船業の復活は、日米間の共通テーマでもあります。

10月末、日米両政府は造船に関する覚書に署名しました。今後は双方の企業で協力し、造成所の近代化やAI(人工知能)、ロボットを用いた技術革新でも協力していくとされています。また、今回の連携強化では、日本近海での有事の際における日本での米軍艦艇の修理なども想定されているようです。

日本の造船業界は、国内最大手の今治造船(非上場)を筆頭に、2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU/非上場。IHI<7013>やJFEホールディングス<5411>などが出資)、三菱重工業<7011>、川崎重工業<7012>などの大手重工メーカーなどが名を連ねています。

近年、上位2社の業績は為替の円安やコストダウン、海運市況の回復などで改善しています。また、船舶業界では脱炭素の機運が高まっており、環境負荷の少ないLNGやメタノール船といった次世代船の受注も増えてきています。

しかしながら、世界では中国・韓国などが国家戦略として造船業を強化し、成長を続けています。規模や生産効率ではこれら巨大規模の中韓勢にまだまだ及ばないことから、国内造船メーカーの間では再編に向けた機運も高まっています。

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