最新記事
経済

「愚か者」はクビ? FRB議長「解任の噂」に揺れるアメリカ経済、ドルも一気に下落

Fed Up with the Fed

2025年7月23日(水)13時25分
ヘスス・メサ(政治担当)
ジェローム・パウエルとFRBのマーク

El editorial-shutterstock

<トランプの言いなりのイエスマンを起用すれば、世界の経済に大きな影響が──>

米経済の賢明な管理者──。2017年11月、1期目中のドナルド・トランプ米大統領は、自らがFRB(米連邦準備理事会)議長に指名したジェローム・パウエルをそう紹介した。だが2人の関係はすぐに悪化し、ついにパウエル解任説が飛び出している。

米メディアは7月16日、近くパウエルが解任される可能性があると報道。トランプ自身が報道を否定し、記者団に「彼が不正行為で辞任するのでない限り、(クビの)可能性は極めて低い」と発言した。


トランプは15日に開かれた共和党議員との会合で、パウエルの解任について相談したと報じられていた。市場は素早く反応し、ドルが下落。米国債利回りが上昇して、株価は2週間ぶりの安値を記録した。トランプは火消しに追い込まれた格好だ。

当初は友好的だったトランプとパウエルの関係は、悪化の一途をたどっている。対立の焦点は米金利だ。自身の思惑どおりの利下げに応じないパウエルを、トランプは「愚か者」呼ばわりしてきた。

トランプ2.0の今、大統領の周囲は忠実な支持者ばかりと言っていい。1期目の一部の当局者と比べて、彼らはトランプの意向に沿うことにずっと積極的だ。

米政権の「経済武器化」

パウエルは例外的存在で、トランプが党内や政府機構で権力を固めていなかった頃の「遺物」だ。その独立性や政治的圧力へのFRBの抵抗は事実上、トランプにとって最後の大きな障害になっている。

科学
地震の正体は足元の「その先」に──深海から探る、地震発生のメカニズム
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

次期FRB議長、12月か1月に発表の可能性=米財務

ワールド

米、AI政策計画発表 規制緩和や同盟国への輸出拡大

ビジネス

英CMA、米アップルとグーグルにアプリ配信方法の公

ワールド

韓国GDP、第2四半期は前期比+0.6% 1年超ぶ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:山に挑む
特集:山に挑む
2025年7月29日号(7/23発売)

野外のロッククライミングから屋内のボルダリングまで、心と身体に健康をもたらすクライミングが世界的に大ブーム

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    参院選が引き起こした3つの重たい事実
  • 2
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家安全保障に潜むリスクとは
  • 3
    レタスの葉に「密集した無数の球体」が...「いつものサラダ」に混入していた「おぞましい物体」にネット戦慄
  • 4
    アメリカで牛肉価格が12%高騰――供給不足に加え、輸入…
  • 5
    バスローブを脱ぎ、大胆に胸を「まる出し」...米セレ…
  • 6
    【クイズ】億万長者が多い国ランキング...1位はアメ…
  • 7
    「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量…
  • 8
    中国経済「危機」の深層...給与24%カットの国有企業…
  • 9
    トランプ、日本と「史上最大の取引」と発表...相互関…
  • 10
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 4
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 5
    「マシンに甘えた筋肉は使えない」...背中の筋肉細胞…
  • 6
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウ…
  • 7
    「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量…
  • 8
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 9
    約558億円で「過去の自分」を取り戻す...テイラー・…
  • 10
    父の急死後、「日本最年少」の上場企業社長に...サン…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中