英CMA、米アップルとグーグルにアプリ配信方法の公平化を要求

7月23日、英競争規制当局の競争・市場庁(CMA)は、米IT大手のアップルとグーグルに対して両社のモバイル用基本ソフト(OS)でのアプリの配信方法をより公平化するように求めた。写真はロンドンのグーグル社オフィスの同社ロゴ。6月24日、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Carlos Jasso)
Muvija M
[ロンドン 23日 ロイター] - 英競争規制当局の競争・市場庁(CMA)は23日、米IT大手のアップルとグーグルに対して両社のモバイル用基本ソフト(OS)でのアプリの配信方法をより公平化するように求めた。アプリの審査プロセスに一貫性がなく、予測不能なことや、アプリストアの検索順位に一貫性がないこと、一部のアプリでの購入に最大30%の手数料を課していることに懸念を示した。
CMAはアップルとグーグルのモバイル用OSが「実質的な寡占状態」にあり、英国の約90―100%を占めるとする。CMA責任者のサラ・カーデル氏は「アップルとグーグルのモバイルプラットフォームは英国経済にとって極めて重要」だが、「私たちのこれまでの調査により、より多くの技術革新と選択肢を設ける機会が必要なことを特定した」と指摘。CMAの「的を絞り、比例した」行動によって、英国内総生産(GDP)の1.5%を稼ぎ出していると推定される英国のアプリ開発者を支援すると訴えた。
CMAはモバイル用OSの規則を見直すとともに、アップルとグーグルに対してアプリストアでの審査やランキングのプロセスをより公平化し、より透明化するよう命令することができる。
アップルとグーグルはCMAの要求に反発し、中でもグーグルは「失望させる不当なものだ」と批判した。
グーグルの競争担当シニアディレクターのオリバー・ベテル氏は「いかなる新たな規則も証拠に基づき、適切であって、英国の成長に障害とならないことが極めて重要だ」とコメントした。
アップルは、CMAが検討している新しい規則が利用者の期待するプライバシーとセキュリティーの保護を損なうことを懸念しているとの声明を出した。