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米、AI政策計画発表 規制緩和や同盟国への輸出拡大へ

2025年07月24日(木)08時27分

トランプ米政権は23日、人工知能(AI)に関する新たな政策計画を発表した。2023年12月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Jarrett Renshaw Alexandra Alper

[ワシントン 23日 ロイター] - トランプ米政権は23日、人工知能(AI)に関する新たな政策計画を発表した。重要な技術分野で中国に対する優位性を維持するため、AIを巡る環境規制緩和や、米国企業によるAI技術の輸出の容易化とリスク軽減を目指す内容。

トランプ大統領は計画発表に際して演説を行い、中国との技術競争の重要性に言及し、21世紀を決定づける戦いと呼んだ。「米国はAI競争を始めた国だ。そして米国大統領として、私は今日ここで、米国がAI競争に勝つことを宣言する」と語った。

約90の勧告を盛り込んだ同計画は、米国のAI技術の海外輸出や、AI技術の発展を阻害するとみなされる州法の取り締まりを求めている。また、商務省に対し、中国のAIモデルが中国共産党の主張に沿った回答をするのか調査することも要請している。AI半導体への世界的なアクセスを制限したバイデン前政権の政策から大きな転換となる。

トランプ氏は「将来的には50の州がこの業界を規制するのではなく、単一の連邦基準を設ける必要がある」と述べた。

ホワイトハウス科学技術政策局のクラツィオス局長は23日、商務省と国務省が業界と提携し、「ハードウエアモデル、ソフトウエアアプリケーション、標準規格を含む、安全なフルスタックのAI輸出パッケージを、世界中の友好国や同盟国に提供する」と記者団に語った。

AI製品一式の輸出拡大は、半導体大手エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)だけでなく、AIモデルを手がけるアルファベット傘下グーグル、マイクロソフト、オープンAI、フェイスブック親会社メタ・プラットフォームズにも利益をもたらす可能性がある。

トランプ氏はこの日、環境規制の緩和、半導体輸出のルール確立、AI技術における政治的バイアスの制限など、行動計画の要素を盛り込んだ3つの大統領令に署名した。

ロイター
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